布教活動はまだまだ続きます。
⚠
🎲×🌩🦒
両片思い表現あります
他同期出てきます。
口調、解釈違いあったらすみません
nmmn作品、ご本人様とは関係ありません。
🌩🦒side
久しぶりに事務所に来ていた、内容は簡単で打ち合わせをしたり、たまたま居た同期や先輩方と談笑したりといつも通りの時間を過ごしていた。
途中、休憩が挟まれ俺がコーヒーを買いに控え室を立ち、いつもの自販機へ向かう。すると
たまたま自販機の前に、見覚えのある大先輩、葛葉さんがいた。
「あれ…もしかして…!!久しぶりです!!
葛葉さんじゃないですか〜!?」
『ぅ”わっ、!?びっくりした…宇佐美か……』
あからさまにびくっと肩を揺らすと、うげっと眉を顰めながら、動画と同様の反応を取り俺の事を見てくる先輩。
「うわ、って酷くないですかその反応〜〜!?
ん、葛葉さんも休憩っすか?」
『あー…うん、俺ら今終わったところ。
てか、お前葛葉さん呼びだっけ?』
「え、ぁ、どういうことですか…!?」
じっ…とただ見つめてくると、ふいっと目を逸らして、『ずーはー呼びは表だけだったんだ〜〜』
とデカめの声でそう呟いてきた。
やべ、確かにそうだわ。
いざ先輩と会う、となるとどうもずーはーと呼ぶには気が引けて…つい彼にさん付けをしてしまった。
『せめて他の名前で呼んでくんね、?
ずーはーでもいいからさん付けやめて欲しいわ〜。』
「いや…ぁ、流石に呼び捨ては良くないなと…」
『別に誰も呼び捨てで呼んでとは言ってねーよ、』
くすりと鼻で笑いながら、こちらには目を合わせずに手に持ったエナジードリンクを開ける彼。
なんだか先輩なのにどこか反抗期中の男子のように幼くもみえて、先輩相手に可愛らしく思ってしまう。
「じゃあ…裏でもずーはーで…」と俺が言うと、お前そんなに裏表気にすんのかよwと大爆笑されてしまった。
『っは〜wガチで面白いやつ、
やっぱ宇佐美好きだわ〜〜!!!』
と、リアルで会ったからこそ見れた、にこにこ笑顔で”好き”と伝えてくれる先輩。
幼げに、でもどこか大人びた笑い方をする彼に対して初めてキュンっと心が惹かれる、学生時代ぶりの恋心を擽られた気がした。
え、嘘だろ俺。いや冷静になれよ、相手は大先輩、しかも同性だぜ??
いやこんな気持ち絶対無い、と勝手に考えた卑らしい気持ちをブンブンと首を振って紛らわせる。
『…?おーい、宇佐美
お前大丈夫かよ、顔赤いぞ〜〜〜』
「ッへ、!?は、いや…なんでっ…
ずーはの気のせいじゃないっすか!?!?」
『…お前、ガチ照れしてる???』
エナドリから口を離し、俺の顔を伺うようにひたすらじーっと見つめてくる葛葉さん。
え、俺そんなに顔に出てたのかよ
やめて、そんなに見られたら恥ずかしっっ
綺麗な真っ赤な瞳にキリッとした縦の瞳孔。
全体的にトーンが白く、どこか幼く童顔に見えて、更には俺より背が少し低いため、まるで可愛い子に上目遣いをされてるような気分になり
みるみる俺の顔が熱くなる感覚がする。
『へ〜、俺の好きそんなに効いてたんだ〜〜』
「ぃ、いや…誤解です!!!!そんなのある訳ッ!!!! 」
『はいはい、で?宇佐美的はどうなの?』
腕を組みながら、そんなことを聞いてくる先輩。
何故こんなことを聞いてくるんだろう、ただのからかいなのか…?一つ言えることはこの人 1番言いたくないこと突いてくるな……
ここは、裏表関係なく”大好きですよ〜”と言えば完璧だし、ぶっちゃけ言ってやりたい。
けど、今の俺の現状はどうだ?
ガチ照れして、先輩に良くない感情を抱いているこの状態で向こうに好きなんか言ったら、きっと告白がガチトーンすぎてキモがられるかもしれないし、セコム的役目の叶さんだって彼にはいる。
ミスったら終わりだこの選択、なんて思ってるとまた彼に急かされたから仕方なく、
『…ぅん、まぁ好きっすね〜〜!!!
友達として最高っすよ!!!』
となるべく自分なりに微笑んでいつものトーンで元気に伝えた。
が…向こうは何故か不服そう、あれ俺なんか地雷発言言った…???もしかして”友達として”が駄目だったか?”先輩にとして”とか言え良かったかな…??
殺されるかも…そう思いながら彼の返事を待つと
『ん、そうかよ、友達として何だ??』
「え…!?いや、勿論先輩としてでも大好きですし、死ぬほど尊敬してますよ…ッ!!?」
『はー…そうじゃねーんだよなぁ”あ〜〜!!!』
突然声を大にして叫び始める葛葉さん。
え、怖っ何考えてるの…!?
そう思っていると、彼はさっき開けたばかりのエナドリをグイッと飲み干して、俺に近寄る。
『好きっつてんの、察しろ馬鹿がよ。』
そう耳打ちだけすると、満足したように”じゃあな〜、頑張れよ ”とだけ言って空き缶片手に控え室へ去っていった。
残された俺は、状況が一切飲み込めずただひたすらに立ち尽くすことしか出来ない。
え?何今の、もしかして告白?いや、早まるな俺
あの葛葉さんなら後輩のことをからかって十分に遊んでる可能性も高くは無い。
あまりの衝撃に手に持っていたブラックコーヒーを落としてしまったが、そんなのも気にならないくらいに呆然と彼のいた空白の場所、一点を見つめることしか出来ない。
察しろ、とは言われたが彼からの告白、として汲み取るのには無理があるに決まってる。俺は彼のことは大好きだが、相手はそこまでなのかもしれないから、相方には長年一緒にいる叶さんだっているだろうし、俺が好かれる理由も、告られる意味が分からない。
確かにあの2人には散々お世話になったし、本人からも好き〜!!とは言われ、ネタにされてきたけども…
「っ…何なんだよ、まじでぇッ……!!!!! 」
いくら考えても処理しきれない、キャパオーバーによってその場に蹲って、頭を抱えてしまう。
あぁ今の俺どんな顔してんだろ、絶対顔真っ赤だろ、さすがに他の人に見られるのは恥ずかしいな
ほんとにずるい先輩だ……
と、妄想に浸っていると不意に明るい関西弁が脳内に平常心をもたらしてくれた。
この話し方と声はマナだ。
〈おい、リト!!?おま、ボトル倒してるやん!!何しとんねん!?怒られるで!〉
「え…ぁ、あぁ”ッ!?やっべ、殺される!!!」
〈散々事務所汚すな言われとったやん!!
あーあ…これ、コーヒーシミになっとるわ……〉
「やばいやばい!?!?は、えマナどうしよ、
俺絶対死んだって、終わった終わった!!!」
〈はぁ…スタッフさんに謝りに行ってこい、
せっかくやし俺もついて行ってあげるわ。〉
なんて優しい同期なんだろう、でもこれ落としたのは俺のせいではない。俺がコーヒーを落とすくらいの衝撃を与えたずーはーが悪いのだ。
と我ながら最低な原因を作って。
いつかまた会えたら、今度は絶対に問い詰めてやる。
そう心に誓って、俺は怒られることを覚悟し、スタッフさんの元へ向かう。
自販機近辺はまだこぼした珈琲のカラッとした香りが漂っていた。