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第七話初恋
俺が楽に会ったのは、俺が中学の時だった。
あの日は満天の青空だった。
楽「こんにちは!俺、坂本楽よく変人って呼ばれるけど、よろしくね!」
楽と、俺は隣の席で、
ミノル「ハハッ」
楽の自己紹介に、俺はおかしくなって、笑った。
楽「笑わないで」
楽が不満げに顔をしかめた。
ミノル「ハハッ!ごめん、ああ、よろしくな、俺、
夢絵ミノル」
楽「ゆめえみのる?じゃあ、みっちー……」
楽は少し考えて言った。
ミノル「急に、あだ名かよ」
文句を言ったけど、そんな楽を、俺は、嫌いじゃなかった。
そこから、俺は楽と、良くつるむようになった。
俺は、楽と居る空気が、何故か、心地良かった。
なんだか、ほわほわしてて、
一緒に居ても、楽で、
疲れなくて、
同じ紙飛行機が好きで、
笑顔が可愛くて、
すごく適当で、
でも、人の都合は深く、聞かない。
そんな楽を、俺は、
いつのまにか友達としてじゃなくて、
違う好きになっていたんだと思う。
知れば知るほど楽の事を、好きになっていた。
だから、女子に、楽が、告られたのを見た時も、
バレンタインチョコの、お返しをあげている所を
見た時も、
楽しそうに、他の人と、喋っている所を見た時も、
俺は、なんだか、嫌な気持ちになった。
これが、俺の、初恋だった。
夏が来る度に、あの日の甘酸っぱい思い出が蘇る。
こんな切ない想いになるなら、いっそ、夏なんて
来なければいいのに。
なぜ、今この事を思い出してしまうのだろう。
ミノルは、朝、布団から目覚めると、くもりの空にそう思っていた。
そのくもりの空は、まるで、今のミノルの心を表したように、薄暗かった。
笑えてくる。
楽に告白した女の子は、彼女は、花空は、
瞳が桃色に輝いていた。
それが恋と言うものなのだろう。
そんなの、俺だって、同じなのに。
俺だって、楽の事、
花空、お前よりも、
ずっと前からーーーーーー
何とも言えない。やり切れなさのような、説明がつかない感情が、胸に、黒く渦巻いていた。
ミノル「……クッソ」
呟いたそれには、
その口から、漏れた言葉には、感情がこもっていることが、自分でも分かった。