ウィス・フィンの足元に広がるのは、今や異様な肉塊と化した人工魔物の残骸。触手がまだ微かに動いているが、ウィスはそれに恐れることなく、静かにその足を踏み出す。
「これくらい、掃除道具を使わなくても終わらせてやる。」
その言葉と共に、ウィスは足を踏み込み、魔物の残骸に向かって一気に突進した。力強く地面を蹴る音が響き、ウィスは一気に魔物の近くまで接近。無駄な動きは一切なく、ただ直線的に体を前に進める。
魔物の触手が、勢いよくウィスを狙って伸びる。だが、ウィスはその動きを一瞬で読んだ。
「その程度かよ。」
ウィスは、触手が自分を捕らえる前に、身体を横にひねる。瞬間、触手は目の前を空振りし、ウィスの体はまるで疾風のようにすり抜ける。あまりの速さに、触手の先端が空を切っただけで、ウィスは既に背後に回り込んでいた。
「ふん。」
ウィスは片手を軽く振り、魔物の胴体に一撃を加える。そのパンチは、無駄な力を一切使わず、まるで全体重を込めるかのように決められた瞬間、ウィスの腕が素早く魔物の体を貫通する。
裂けた魔物の体から、黒い液体が噴き出すが、ウィスはその一歩先にすでに移動している。
次々に動く魔物の触手。だがウィスは速度に合わせ、軽々と体をよじって避け、振り下ろされた触手をそのまま掴んだ。
「はぁっ!」
ウィスはその触手を両手で引き寄せ、力強く引っ張ると、引き裂いて、真っ二つに分断した。そのまま触手の先を素早く振り回し、次々と迫る魔物の腕を切り裂く。まるで舞うように華麗に、だが、最も効率的に――無駄のない動きで。
「これくらいどうにかなる。」
ウィスはどんどん魔物に接近していき、その胸部に見つけた隙間に両足を踏み込んだ。次の瞬間、ウィスは全力でその足を地面に押し付け、強烈な力で蹴り上げた。
「――グゥァァッ!!」
魔物の体が悲鳴を上げて、粉々に弾け飛ぶ。中から異常なガスと液体が四方に飛び散り、ウィスはスライディングで回避する。
「そんなもん、勝てると思うなよ。」
ウィスは他の魔物が動く気配を感じ取る。その直感は鋭く、振り向きざまに次の魔物の頭を握りつぶした。
その衝撃で、頭部がミンチのように潰れ、血と液体が飛び散る。ウィスはそのまま、真っ向から魔物の残骸に向かって走り込み、今度は右拳を全力で振り下ろす。
「お前みたいな『失敗作』は、力で潰すのが一番だ。」
その一撃で、魔物の胸部は砕け、溢れ出た黒い液体が辺りを濡らす。だがウィスはそのまま力を込め、手のひらをぐっと押し込んで魔物の体内をねじ回した。
「くっ……なにが合成だよ。こんなもん、ゴミみたいなもんだ。」
そのまま力任せに魔物の体を引き裂き、内部の部品を引き抜いて破壊し続ける。魔物は動きを止め、ウィスのに屈していく。
「これで終わりだ。」
ウィスは魔物を押しつぶし、完全に無力化する。そして一呼吸置いて立ち上がると、ぐったりと倒れた魔物の残骸を見下ろす。
「掃除は終わった。」
その後、ウィスは肩を軽く回し、満足げに息をつく。
「どんな『汚れ』だろうが、関係ない。やるだけやって、さっさと帰るだけだ。」
その言葉を呟くと、ウィスはゆっくりとその場を離れ、次の仕事に向かって歩き出す。その背中には、どこか余裕が漂っていた。
コメント
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今回も神ってましたぁぁぁぁぁぁあ!!!!! おおおおおぉ!!!信じていたぞ!我が息子よ!!(違います) 圧倒的強さだな...凄すぎるべ...(?) このまままじで伝説級になっちまえ!! 次回もめっっっさ楽しみぃぃぃぃいいいい!!!!!