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モニーク家のお茶会は、あっという間に過ぎた。
ジョアンとエマを連れ、馬車に乗り込むとフレンダが声をかける。
「クロックフォード嬢、3日後にご予定は?」
「3日後?特に予定はありませんわ。どうかしたんですか?」
「いえ、こちらの勘違いでした。お気を付けてお帰りくださいね」
彼女はそう言うと、手を振りシルフィア達を見送った。
「何だったんでしょう?」
エマは首を傾げた。
「さぁね。あまり良い予感はしないわね」
「フレンダ様は、ラファエロ様と昔からの知り合いです。もしかしたら、フレンダ様もラファエロ様のことが…」
シルフィアは、彼女の言葉に疑問を抱き、ジョアンの口に手をあてた。
「ちょっと、フレンダ様“も”ってなによ。私は別にラファエロのことが好きなわけではないわ」
すると彼女は驚いた表情でこちらを見る。
「好意はないのですか?」
「えぇ、色々と事情があるの。そうね、これは政略結婚よ」
「……そうだったんですか。気付かくて申し訳ありません」
彼女は深々と頭を下げた。シルフィアは許しを与えると、彼女にどこか安堵する表情が読み取れた。
三人で楽しく話しているうちに、公爵邸に帰ってきた。
玄関を入ると、珍しくラファエロが執事長と話して立っている。
「あら、ラファエロ様。何処かにお出かけですか?」
「…今から皇城に用事がある」
帰りの時間などを執事長に伝えると、そのまま公爵邸を出ていった。