コメント
1件
続き気になる! 続き待ってます!
元希のことを意識しはじめたのは去年の春だった。
満開の桜を見ながら歩いていると、その中によく目立つ背中を見つけた。
俺の視線に気づいて近づいてくる。
「おーがわともひろくーん!なに?君もぼっち花見?」
「まあ、そんなとこ」
「お!独身彼女なし仲間か?」
「やめてくれよその不名誉な仲間意識」
「ホントのとこどうなのよ」
「その通りでございます」
「ほらー」
せっかくならと出店でりんご飴を買って食べながらベンチで談笑した。見慣れたはずの横顔にくぎ付けになってしまう。真っ白な心にふわっと桜色の感情が広がった。