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ーnmmn・誤字脱字注意ー
Dat4
「はーっ!さみーっっ!」
「んふふ、もう冬だね~」
まだ夕方だってのに、あたりは真っ暗で、屋上から周りを見れば、ビルやマンションの光で優しく照らされていた。
「はぁ~~!!なんか葛葉に隠すことなくなってすっきりしたわ~~!」
「はぁ?ただ記憶がないって話しただけだろ?」
「そんなこと言わないでよ、こういうのも大事なんだよ?」
「ふーん…」
叶の言葉に俺は、叶に吸血鬼だということは言えてないことに少し罪悪感を覚えた。叶は俺が吸血鬼だと知ったらどう感じるのだろうか、避けられてしまうのだろうか、
「あーーっ!ゲームするぞ、ゲーム!!」
考えすぎても良くない。俺は気を紛らわすように、ゲームを始める。
「…うんっ」
「あっ、今日は負けねぇかんな!!」
「んふ、wさすがにそれは無理じゃない??」
…
「は…~ずは…」
「ん…」
「葛葉っ!」
「うおっ!!ビビった~…」
叶に呼ばれ目を覚ます。そして叶は、俺の目の前で困った顔をしている。
「ん?なんかあったのか?」
「いや、なんでゲーム中に寝るの…」
「え?あ、ごめん…」
「いや…あの…謝らなくていいんだけどさ、」
「え?」
そういいながら叶が、ドアノブに手をかける。
「おまっ…まさか…」
察しのいい俺は気づいてしまった。
「うん。鍵しまってる。」
「はぁ!?えっ、どうすんだよ!?」
「うん。どうしようね。w」
予想以上の出来事に焦っている俺を見て叶は笑っている。どこがおもしろいんだか…それよりも今、ここからどうやって出るかを考えなきゃ…あ…羽があるじゃ…
「…ぁっ」
「…どうした葛葉?」
「や、なんでも…」
羽なんて使ったら叶に…
「………葛葉ってさ、人間?」
叶はいつもと変わらぬ声で、だけど、なにか覚悟した声で話した。
「はっ…!?」
叶の急な発言に俺は戸惑った。だけど叶のまっすぐな瞳を見て俺はすべてを悟り、覚悟して口を開く。
「…人間に…見えるか…?」
「うんん、見えない」
「…ッハ」
なんだ…叶には全部お見通しかよ…
俺は叶にすべてを話した。最初は驚いていた叶も俺の話を聞いてきて段々受け入れてくれる瞳をしていた。
「へぇ~葛葉ってなんかすごいんだね…」
「何かってなんだよ…」
「うんん、なんでも。さ、帰ろ」
そう言って叶は荷物を手に手を差し伸べてきた
「葛葉ならどこにでも連れて行ってくれるって信頼があるからさ、」
「…はぁ…?」
「僕と葛葉だけの秘密だね…」
俺は初めてできた友達に、初めて自分の本当の姿を現し、手を取って空に飛び立った。
「吸血鬼って容姿も変えられるんだね、しかもこの羽どうやって生えてるの!?」
「…わかんね。てかそんなに暴れると落ちるぞ。」
「んふふ、ありがと葛葉」
「…別に」
この日を過ごして俺は叶に隠し事をすることはやめた。だけど、叶の心の奥にはまだ何かあるということを察した。