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『山に入るには気をつけてください。人間の肉が大好きな狼ちゃんがいます。もし、食べられてしまっても責任は負いません。』
そんな看板とともに俺はある山に入ろうとしている。一人登山の好きな俺はいつも、適当に電車に乗って登れそうな山を見つけては登る。そんな社会人の休暇を楽しんでいた。
「琉華せんぱーい!どこに行くんですかー?」
今、質問をしたのは同じ会社の後輩、星闇である。半年前に入社してきた、大手企業の娘だとか。
「なんでついてきた?俺は一人が好きなんだってずっと言ってるヤローが!」
「いいじゃないですか琉華先輩。こんなに可愛い後輩と登山デートですよ?」
なんなんだこいつ。変なこと言って!俺の休みが…。
「琉華先輩、この山やばそうですね。登ります?それとも帰ります?はたまた、私と別のところでデートでも?」
本当におかしなやつだ。
「先輩呼びはやめてくれ。同僚に近いのだから。あと、デートはしない。」
「琉華先輩!なんかこっちに近づいてきてません?」
「まぁたバカのこと言って、俺の気を引こうとしてるんだろ?」
同じ手に9度も引っかかるもんか。いい加減どっか行ってくれないかな?今度部長に相談してみようかな。
「今回は、嘘じゃないんですって!狐みたいな白いのが…」
「で、どんなのなんだ?」
俺が聞くとそれは、5メートルをゆうに超えるぐらいの、狼がこっちに突進してくるのであった。