【 空白 _ スペース 】
/ 創作 . GL . 同性愛 . 虐め . 虐待表現有
/ 🕊🌷 … ♡
第一章 .
「 私、死んだ方がいいの 」
そんなことを 、 海に向かって呟いた 。
空っぽな少女は 、まだ続ける 。
「 世界は理不尽なんだ 。
生きていい人間が決まっている 。 」
いつしか声は震えて 、 その空っぽな少女はただ広く、輝く海から目を背けていた 。
「 私が生きているだけで 、
何人の人が悲しんだんだろうって …
もう頭の中ぐるぐるなんだよ 。 」
そして精一杯唇を噛み締めて 、脳内に駆け回る言葉を飲み込んで、空っぽな少女は目を瞑った 。
「 だから、だからっ 、なんで私なんか生きてるんだろうって、思っちゃうの 。 」
だから 、さよなら 。
自由な宇宙 、理不尽な世界 。
私達はみな、自由の奴隷だ 。
「 うん、また、さようなら、世界 」
そうやって、海に飛び込んだ …..
否 、飛び込もうとした __
腕を掴まれたその直後 、 真っ黒な視界と温かい体温に包まれて 、少し寂しそうな声で 、こう 、 呟かれた 。
「 生きていいよ 」
そう言われた瞬間 、目元がぶわっと
熱くなって 、水が頬につたった 。
そして、また彼女は続けた 。
「 貴方は、生きていい人間だよ 。 」
そういう彼女の体温は 、
灼熱の炎なんかよりも 、
ずっとずっと、暖かった 。
煙草の火を腕に擦り付けられた時よりも 、
熱湯を頭からかけられた時よりも 、
火事から逃げ遅れて 、足を焼いた時よりも、
ずっとずっと 、
彼女の体温の方が 、高かった 。
暖かかった 。
彼女の頬からつたってくる涙は生暖かかった 。
彼女の服は暖かかった 。
彼女の匂いは柔らかかった 。
彼女の心音は心地よかった 。
そして暫くして顔を上げると 、
世界は白に包まれていた 。
目を擦ると 、次第に視界が戻ってきて 、
世界がはっきりと見えてきた 。
「 ぇ …. 」
驚いた 、吃驚した 。
世界が広かった 、色鮮やかだった 。
先程泣いた目はまだじーんとしていて 、
少し腫れているように感じた 。
少しして彼女に目を向けると
「 おはよう 。」
そういい、笑ってこちらを見つめた 。
そしてまた口を小さく開き 、
細々しい涙声で 、
「 私の名前は白、
しろって書いてはくって読むの 。 」
そういっていかにも無邪気で子供っぽい
笑顔で笑ってくれた 。
「 … 私は空 。
そらってかいてくうって読む … 、 」
「 へぇ、素敵な名前だね 。 」
「 貴方の名前は … 如何にもあなたの名前って感じがするね 。 」
「 えぇ、そうなの … !!? 」
「 はは 、君は明るいね 。 」
私には眩しすぎるぐらいには 。
「 …. 名前で呼んでよ 。 」
「 ぇ、 ? 」
驚いた 、そんなことを気にしてたんだ …
「 態々名前教えた意味ないじゃんか !
さっきから 貴方 、とか君 、とか …
もう私たち友達なんだからさ !! 」
なにか、その一言で私は変わった気がする 。
“ 友達 ”
空っぽだった私の体がなにか埋め尽くされていくような .. 。
でもそれと同時に心がもやっとした 。
黒い霧にかかっているような 。
分かった ….. 好きだ 。
暖かい 。
でもなにかモヤッとする感じ 。
「 … ねえ、白にとっては私は友達 ? 」
「 ぇ ? 違うの … 、 ? 」
うん 。
ちょっと違うの 。
私はずっと一生あなたといたい 。
あぁ 、これが依存か 。
「 ねぇ、私 、白のこと 、
好きみたい 。 」
「 ぇ ? 」
「 ね、私としあわせにならない ? 」
私のものにしたい 。
私を地獄から救い出してくれた 。
それと同時に新しい心を生み出してくれた
貴方 …. ううん 、白を 。
私のものにしたいの 。
「 お願い 。 」
「 わ …. 私のことがす、すきなの 、? 」
白は怯えた様子で 、体を震わせて 、やっと声を出せたのか 、息が切れていた 。
「 うん 。 」
「 一目惚れってやつかな 、
白のことしか見れないの 。 」
「 え … ぁ …. 」
私は白に笑顔を見せて 、
「 大丈夫 、嫌って言っても
無理やり 、私のものにしてあげるから 。 」
「 な、なにいって … っ う ‘ッ 」
その瞬間 、ドス ッ 、
と、鈍い音が広い世界の小さな宇宙の
壮大な海の近くの 、ちっぽけな場所で
響き渡った 。
「 白は、世界よりも綺麗だね 。 」
私の星 。
あなたがいれば彼奴らの
ことなんて怖くもない 。
あなたがいれば、私は生きていける 。
あなたさえいれば 、
私を1度救ってくれた貴方なら __ 、
next __
2ページ目に続く 。
あなたがいないせかいでは 。
コメント
46件
ちょっと待って…え、なんで俺これを読もうしなかったんだろ…。 百合は地雷じゃないけど、ただ興味がなかっただけ…だのに、お前のせいで興味出てきてしまったじゃないか((( え…二人の名前を知った瞬間、「あ、やっぱコイツ天才だな」って思った…マジで天才。 あのさ、関係者のカプんとこに、お前を登場させようと思ってんだけど、名前さ…なんて記名したら良い? ほら、「嶺恋」「星柳」「き る あ 。」って…名前があるからさ。
え、上手すぎませんか🙄🙄 まじで神なんだが🥲︎🥲︎💗 何回も言わせてもらうけどほんとに上手、尊敬すぎる、、 人違いだったら申し訳ないけどおかえり、待ってたよ‼️‼️
語彙力の化身で死ぬ😇 私の周りには神しかいないのかな? 百合大好きだから神。 依存・暴力的描写とか可哀想系とかマジLOVEすぎる