傷んだ小切手に挟まれた一枚の開かれた手帳。
『初恋は雷でした。』
壱
弐
参
死
【さぁサァやって参りマシタ!】
司会者の声が強く響くホール。
口々にざわめいていた聴衆等が一斉に全貌の眼差しで司会者を視野の中心におさえる。
今か今かと、待ち望むように。
【今回の目玉商品は…コレ!】
正体も分からない黒いローブを纏ったモノが、舞台上に置かれた檻を突き刺した。
司会者を見ていた聴衆の視線が檻へと集まる。
【路地裏に転がっていたトコロを、た〜まタマうちの職員が見つけマシタ!】
いつ、目を冷ませば良いのだろうか。
【”鬼”の紋様を引いた”ニンゲン”でゴザイマス!】
またもや至る所から声が聞こえる。
鬼という言葉に反応するモノや、ニンゲンという言葉に反応するモノ。
口を紡いでいるけれど、心からの欲を包み隠せないほどの鋭い視線を向けるモノ。
【では___】
聞こえない。
聞きたくない。
僕は、ただ___死にたいだけなのに。
コメント
4件
新作きちゃー! 待っていましたともー! オークションに参加しているのはニンゲンではない、のかな…? 何なんだろう… 神様…?
久々の投稿だぁぁぁぁ!!初っ端からなんだか不穏…主人公くんはオークションにかけられてるのかな、鬼の紋様っていうのが気になる…!