戦争パロです。(気分を害する可能性あり。)
主人公は子供です。
途中で2行あいたら、大人になったと思って。
OKな方だけ見てくだせえ。
「私を置いていかないで…ポロポロ」
ねぇ、私、見たんだよ。
少し前にテレビでね、戦争するとどうなるかってこと。
おにいちゃんは私にわからせたくなかったかもしれないけれど。
「おにいちゃんが怒ってる時も、私が…しんじゃっても!!」
「ひとりにしないで…!!置いていかないでよぉ”…!!ポロポロ」
どんなに訴えかけても、笑顔でおにいちゃんは戦場に行く準備の手を止めてくれなくて。
いつもなら泣いたら、笑顔で「どうしたの?」とか、「ごめんね」って言ってくれるのに。
「おにいちゃん”っ!!!!ポロポロ」
怒った顔で、ずっと、手を止めてくれないから。
私は、何度も何度も、泣きながら、おにいちゃんを止めるの。
「やめてっ!行かないでっ!ずっと一緒にいてよ”ぉ”ッ!!ポロポロ」
ずっと、苦しそうな顔をするから、笑ってほしくて、
そのためには、テレビで見た、あの悲惨な場所に行かせないようにしなきゃなのに、
袖を引っ張っても、声を張り上げても、そのたびに涙を流すだけで、準備をする手を止めないから、
そして…どんどん、玄関へ向かっていくから。
「…いってきます。」
「い”や”っ!!行かないで!!おにいちゃん!!ポロポロ」
おにいちゃんが玄関のドアをあけると、眼の前には火の海があって、その中に向かって歩こうとするから、
私は、追いかけるために、おにいちゃんが笑うために、
「ダッ」
「来んな!!!」
走ったら、初めておにいちゃんに怒鳴られた。
「もう…お前は、俺の妹じゃない。お前なんかいらない。」
そんな、悲しいこと言わないでよ。いやだ、やめて。
「それでもっ、私はおにいちゃんと一緒に行く!!!ポロポロ」
「…ッごめんなぁ…ッ ポロッ」
お兄ちゃんが私を抱きしめて泣くから、もっと涙が出てきちゃう。
「…ッ、必ず戻って来る。それまで、お母さん達を頼んだ。」
「…はいッ ポロポロ」
おにいちゃんの言うことは聞かなきゃいけないから、私は「はい」って言うの。
「いってきます。」
「…いってらっしゃい…ポロポロ」
「…ソッ((お墓の前に花を置く」
お兄ちゃんは帰ってこなかった。
約束して10年が経った頃、お兄ちゃんが行った部隊の人が家に来た。
お兄ちゃんの訃報を知らせに。
お母さんと他の兄弟は泣き崩れ、お父さんはそんなお母さんを慰めたけど、私は涙が出なかった。
それから、毎日外に出て、1日中お兄ちゃんが返ってくるのを待ったけど、それでもお兄ちゃんは来なかった。
私を笑わせようと頑張ってくれた家族も、結局爆撃に巻き込まれて亡くなってしまった。
逃げるしかなくて、助けを呼んでも誰も来てくれなくて、そこら辺の雑草や土を食べた。
神様、私を見ておられるならば、あの当たり前の日々を、返してください。
そして、その当たり前の日々を当たり前だと思っていた私を、呪わせてください。
コメント
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戦争の怖さをより深くわかりました!ありがとうございます!