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(俺としたことが、)
さっきまで聞こえていた通学している小学生達の声もなくなる中、竜凰はベッドの中で布団を被っていた。 隣では誰かから電話が来たのか、バイブでスマホが動いている。
「もしもし〜会長?どうしたんすか?休みなんて珍しっすね」
出てみると、生徒会の後輩の五十嵐颯からの電話だった。
「あぁ、颯か。熱が出てな」
俺は熱を出していた。
(理由は多分、あれだろう…) などと考えながら話をしていた。
「まじっすか!俺がお見舞いいってあげましょーか?」
「いや、いい」
(こいつがきたら、もっと悪化してしまう。)
「そうすか、まあ、お大事にっす!なんかあったら連絡してくださいよっ!」
颯は意外に面倒見がよく、親切で頼もしい一面があり、すごいいい子だと日を追うごとに実感する。 竜凰は電話を切り、また頭を寝かし目を閉じた。
家中に響き渡るチャイム音で俺は目を覚ました。重い体を引きずりながら、玄関へ向かう。
「よぉ!どうした?」
ドアを開けるとそこにはれおがいた。
「それはこっちのセリフだ!」
少し大きい声を出したためか、咳が出てしまった。
「大丈夫か?」
れおの後ろから一条が顔をのぞかせた。 れおから話を聞くと、ホストクラブに来ない俺を一条が心配し、家に行こうとしたが方向音痴なため、れおが同行してきたという。
「なんか食ったか?」
一条に聞かれ、なにも口にしてないことに気づいた。
「俺なんか買ってきます!」
「おう!ありがとな!れお」
そういうとれおは背を向けて買い物に向かった。気まづい中、立たせておくのも悪いので家に入れた。
「竜凰って一人暮しなのか?」
「ああ、父親が死んで母親がシングルマザーで育ててくてていたが、負担をかけないために一人暮らしをしてるんだ」
一条をみると、悲しげな顔をしていた。
「熱はあるのか?」
そう言うと一条は顔を近づけてきた。おでこがおでこと触れ合い、びっくりした。
「うーん、べつに高熱ではなさそーだな
って!うわ!竜凰、めちゃ顔真っ赤だぞ?」
俺も顔、体全体が熱くなるのを感じた。
「ベッド戻れよ」
一条は竜凰をベッドに寝かし、れおに連絡を入れていた。
れおが帰ってきて、一条とれおでおかゆを作ってくれた。
「うま!」
味覚は正常じゃないのに、おかゆはうまく感じた。
「まあ!当たり前だな!」
れおが嬉しそうにしながら自信満々にいう。そして、時間を確認したと思ったら、焦りを見せ、帰るわという言葉を残して、帰って行った。 また、一条と2人っきりの空間になった。
「俺もそろそろ帰ろーかな」
竜凰は朦朧とするなか一条を引き止めていた。
「1人にすんな」
そんな言葉を発した俺は一条にベッドへ押し倒されていた。あの何度見ても慣れない顔をした一条を見て、俺はなぜか恐怖に犯された。
目を開ければ、そこにはもう一条の姿はなく、机の上に置いてある塩分がとれるスポーツドリンクと薬。そして、1件のメールが届いていた。