おまけ ストーリー
魔王城に行くまでの物語~
「おばあさんこんな所で大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫よ、こんな老人を心配しなくても。それよりも…あなたは大丈夫なの…?」
「え?」
「手が震えてるじゃないの。」
「あぁ…大丈夫ですよ!ただ寒いだけです。」
「本当?」
「はい」
「そうならいいけど…」
「おばあさん、こんな所一刻も早く場所を変えた方が良いですよ…」
「あら、何故かしら?」
「この近くに魔王城があるんです。魔物の行動が活発になっていておばあさんも危ないですよ。」
「いいのよ、私はここに残るわ。」
「で、でも…」
「私はね…おじいさんと一緒に暮らしていたこの家が忘れられないのよ…」
「…おじいさんは..?」
「先に行ってしまったわ…私を置いて..」
「それは…ごめんなさい….」
「いや、いいのよ!私がこんな話をしてるから… 」
「私は死ぬ覚悟は出来てるの。こんな老人が死んだって誰も悲しまないし…それに、おじいさんとまた暮らせるの…だから…」
「そんなこと言わないでください!」
「…?」
「人は死んだら誰だって悲しいですよ!死んだおじいさんも悲しみますよ。あなたにはまだ生きて欲しいと思っているのかもしれませんよ。」
「そんな…そんなこと…」
「いいですか?今から僕は魔王城へ行って世界を取り戻します!その間に死んじゃうなんてことはないようにしてくださいね!」
「では!」
「あ!待って!お名前を聞いても…?」
「ネマです。」
「防御魔法だけが得意ですから! 」
コメント
1件
SHELD物語完全終了! ありがとうございました!!