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「 ただいま 」
涼ちゃん の声がした 。
急いで 、 玄関へ向かうと
涼ちゃん が
どこか 惜しそう に 微笑んで 立ってた
けど そんなことより 僕は
この 「 ただいま 」 が
何よりも 嬉しくて
抱きついた 。
「 遅いよ。 ばか 」
そう 涼ちゃん に 呟いた
ごめん 、 って 言って
抱きしめ返してくれた 。
久しぶりの 温かみに
嬉しくなった 。
その日から 、
涼ちゃんは どこか冷たくなった
気づいてないふりしてるけど
本当は知ってる 。
涼ちゃん には 、 背負うものが
でかくて 多分 追い込まれてること 。
どう 、 声をかけたらいいか
全く分からない
けど 消えて欲しくなくて
見て見ぬふりはできなかった
今日 勇気を持って声をかけた
「 涼ちゃん、吐き出して 」
そう言ったとき 、 涼ちゃんは
は? っていう 顔をしていた 。
というか 顔に 「 は? 」って書いてある気がした
藤 「 吐き出すって…。何を? 」
大 「 思ってること。 抱えてること
全部教えて。 隠さないで 」
そう伝えた 。
藤 「 若井と同じ気持ち。いま 」
想像も してない言葉が
入ってきて
けどそのあとに
藤 「 元貴は背負いすぎてる。苦より数え切れない期待を抱えすぎてる それが見えるから怖くて仕方がない 」
そう言われた 。
苦より期待が多い 、 なんて
初めて言われた
大 「 僕はこの期待を糧に── 」
藤 「 できてないんだよ。 」
明らかに いつもの涼ちゃんと違う
たくさん 、 僕が 隠してきたものを
突きつけてくる 。
もしかして 僕に 失望したのだろうか
そうだとすると 、 完全に 孤独じゃないか…
藤 「 吐き出すのは元貴の方だよ。
自分 を もっと可愛がってあげて… 」
そういい 抱きついてきた
涼ちゃん に 全て
包み込まれる気がした。
辛いことも 、 楽しいことも 全部
もうこのまま この波に飲み込まれて
なんにもできなくてもいい、 そう思った
大 「 若井は 、 僕のせいでしんだ 」
藤 「 違う。 」
大 「 涼ちゃんも 、 僕のせいで苦しんだ 」
藤 「 違う。 」
藤 「 そんな言葉、 二度と 元貴の口から聞きたくない 。 」
暖かく 、 抱きしめてくれてるのに
包み込んでくれてるのに
僕の 不要な部分は蹴り落とすように
否定してくれた 。
藤 「 若井がなくなってどう思うの? 」
大 「 辛い 、 会いたい… 」
藤 「 僕が帰ってこなかった時 、 どう思ってた? 」
大 「 寂しかった … 独りになるのが怖かった 」
思ってたこと 、
そのまま 言った 。
「 それが 元貴 だよ。 寂しがり屋で独りが怖くて何よりも脆い、 」
「 抱え込むなんて かっこよくない 」
いつもの 、 暖かい
声で
包こもうとする 。
「 そうだね、 だから離れないで欲しい。 この 当たり前 をもう少し体感させて欲しい 」
そう 、 返した 。
この 当たり前 を あと少しでいいから
どうか 感じ続けたい 。
これが僕の 本心 だった 。
涼ちゃん は 、 頷いて
「 もちろんだよ 」 って
優しい 笑顔で 返してくれた 。
ずっと
ずっと
続けばいいのに
『 主: ここまで読んで頂きありがとうございます。 1話でも言った通り長ったるい分になってますが…。 あと 2話 くらい書いたら
終わりを迎えるつもりです。 あと少しだけ見ていってくださいね 』