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それから僕はスタッフさんに沢山のことを話した。元貴たちとの関係のこと。ミセスを脱退しようと思っていること。
スタッフさんは一生懸命に聞いてくれた。
そして一緒になって泣いてくれた。
僕はこの日久しぶりに心から笑えた気がした。楽しかった。
スタッフさんが帰ったあと、僕は暇潰しにと思い、携帯を開いた。
…元貴たちからなにか心配の連絡が来ていることを期待しながら。
連絡は1件だけ来ていた
「明日、今日やるはずだったレコとるから準備しといて。」
「ちょっとくらい心配してくれてもいいのになぁ…笑」
期待した自分が馬鹿だった。
元貴たちとの関係はとっくの昔にズタズタになってしまっていたんだ。その事に僕が気づいていなかっだけ。気づきたくなかっただけ。見て見ぬふりをしていたんだ。
その事に気がついた今、僕はもう全部どうでも良くなった。自殺してしまおうかとも考えた。
でも…体が動いてくれなかった。
僕はまだ生きたいんだと思う。死にたくないんだと思う。まだまだ元貴と涼ちゃんと楽しい思い出を作りたいんだと思う。
でも現実は甘くない。どーするのが正解なのだろうか。僕はどうしたらいいの…
「助けてよ…誰でもいいから…泣」
本当は誰でもよくなんかなかった。
元貴に助けて欲しい。涼ちゃんに助けて欲しい。もっと欲を言えば…高野に。ミセスの元メンバーの高野に助けて欲しい。
僕は高野にどーしようも無い恋心を抱いていた。本人には伝えてないけどね…笑
「死ぬ前に1回は会いたいなぁ。」
そんなことを考えていると手に持っていた携帯が震えた。誰からだろう?
「若井?久しぶり。
今週末会えない?ちょっと話したいことがあるんだけど」
高野からだった。神様は最後の最後に僕に味方をしてくれた。
「久しぶり!今週末空いてるよー!」
「じゃあ若井の家行ってもいい?」
「うん!了解」
こんな会話でも嬉しくなってしまう自分が居る。高野にも話した方がいいのかな?
体のことも元貴たちのことも。
高野はなんの話をしてくれるのだろう。
楽しみだなぁ。
そんなことを考えながら僕は長い長い一日に幕を下ろした。
左胸に…心臓に少しの痛みを抱えながら