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ついに日曜日。高野と会う日だ
僕はいつ来るかな?いつ来るかな?と高野の訪問を待ち望んでいた
…でも高野は夜になっても来なかった
なんで?来るって言ったじゃん
そっちから連絡してくれたじゃん
「なんでよ…」
僕が絶望のどん底にいるとスマホが震えた
元貴からだった
「今から会いに行ってもいい?」
は?なんで?
僕が混乱しているとさらに元貴から連絡が来た。
「涼ちゃんと喧嘩しちゃったの。
一日でいいから若井の家泊めて?」
自分勝手にも程がある。なんなんだこいつは…
でも…嬉しく思っている自分もいる。
久しぶりにメンバーに。幼なじみに頼って貰えた。必要として貰えた。
その事が今の僕には1番嬉しかった
「いいけど」
僕は嬉しがっているのが元貴にバレないように素っ気ない返事をした
「じゃあ今から行く」
元貴と2人で話すのなんかいつぶりだろうか。
連絡するのも久しぶりだったかもしれない
「まだ…離れたくないんだな笑」
嬉しく思う反面、悲しく思う自分がいる
ミセスを脱退すると決めていたのに。固く決意していたのにこんなにも些細なことで揺らいでしまうなんて…
僕はこんなにも弱い人間だったんだな笑
間もなくして元貴が家に来た
…目を真っ赤に腫らして
「大丈夫?目真っ赤だけど」
「うん…ありがとう突然」
元貴が僕に礼を言った?嬉しいなぁ…
「全然っいいよ。なんかする? 」
「…お風呂借りてい?気持ち悪くて」
確かに外は雨が降っていた。
元貴は傘をささずに来たのだろうか。
気になるほどでは無いが微かに濡れていた
「いいよ。ぱぱっと入ってきな」
元貴が浴室に行ってから僕はじっくり考えた。
元貴に自分の病気のことを話すか。 それとも話さないか。どうしようか
そんなことを考えていると元貴が浴室から戻ってきた
「お風呂…ありがとう」
「スッキリした?」
「…うん」
「あのさ…元貴に言わないといけないことがあるんだけど」
「何?どしたの?」
「僕さ、もうちょっとで死んじゃうの」
「…は?なんて?」
「だから…もう命が永くないの」
「冗談?そんな不吉な冗談やめてよ…」
「冗談じゃないよ。1週間くらい前にお医者さんに言われたの。余命1ヶ月だって。今生きてるのが不思議なくらいだって」
「じゃあもう1ヶ月もないのか…」
「うん」
「ミセスはどうするの?これからだよ?最近人気が出てきたところなのに…」
「そうだけど…」
「どうしてくれるの?若井がいなくなったらまた一から探さないといけないじゃん!!」
…え?
「こっちは無駄なことに時間かけたくないわけ。なのになんで…」
あぁ。僕は何を勘違いしていたのだろう
元貴は僕の心配じゃなく、バンドの心配をしているんだな
いや…涼ちゃんのことを思っているのかもしれない
「ごめんね…もう僕には続けることは出来ないから違う人を、元貴の都合のいい人を探して」