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にじさんじ “ めちゃつえー “
( 緋八マナ … 他
流血表現あり 、
死ネタ、グロ 表現 などは ありません 。
苦手 な 方 ブラウザバック 推奨 。
地雷 、誤字脱字 報告 コメ は 受け付けません。
※ 人気な場合 、続きあり 。
例えすれ違う人に泥を掛けられたとしても、そんな泥を拭う暇がなくっても、きっと大丈夫。
俺の隣を歩んで共に涙を流してくれるヒーローが居るから。
きっとその涙は泥を拭う為にある_。
空は黒く淀み、雨が激しく降り注ぐ。
任務の帰り、クタクタに困憊した体を雨が打ち付ける。
「 ホンマに疲れたなァ、でも皆助かって良かったわ 」
酷い出血のせいか目眩が酷く肩を壁に擦り付けて、目的もなく彷徨う。
「 ( ッ、あ…痛過ぎるやろ、まぢヤバい。俺死ぬんか… ? ) 」
腹部からの出血が酷い。段々と意識が朦朧とし膝が抜ける。
出血に伴う様に酷い寒気と恐怖に身体がむしばられる。
「 まだ…死にたない、なァ。..せや、死んだら、
オリエンスに..迷惑かける、わ。最後くらいちゃんと言わんとな… 」
このヒーロー人生が最悪だった訳じゃない。でも最後にみんなで食卓を囲んで暖かいご飯を食べたかった。
胸元のトランシーバーを強く握りしめ、振り絞ったか細いで言葉を投げる。
「 ぁ、あ~…あ~、聞こぇ、てはる…? 」
「 ぁれッ マナ君…?さっき緊急任務妖要請行ってたよね、どしたの怪我でもした..?変だよ、 」
普段は鈍感で頼りない癖に、こういう時だけ察しがいいイッテツには慣れたものだ。
「 ホンマに、アホやなぁ.. 。 なぁ…俺が、死んだら、、机の上はっ、全部捨てんで、欲しい..、ロッカーは要らん、から…っ 」
「 ぇ..マナ、マナ~?今何処いんの、イッテツと迎えに行くから 」
焦ったようなリトとイッテツの声が機械越しに聞こえる。聞き馴染んだ声にどうしても安堵の笑みが零れる。
「 …何処、か、わからへん..。もぅ、視界暗くて、、前見えへんねん…。 」
「 マナく、、、。 」
「 もぅ、意識持つことも難しくなっててん、俺自分でも思うわ、助けられへんくなってんやろなって… 」
目が閉ざされ、段々と意識が遠のいていく。黙り込んでいた赤城が突然声を張り上げた。
「 マナ!今Dyticaにお願いしてマナ探すの手伝って貰ってるから!絶対死のうとするなよ、死んでも 諦めんな!! 」
「 ウェン、ッ、、、んで、分か、ねん。 」
ふわっと、体が限界を迎え全身の力が一気に抜け地面に倒れ込む。意識が無くなる瞬間もオリエンスの声が脳に響き渡る。
次に目を覚ましたのは、病室だった。
あれから何日がたったのだろうか。
見慣れない部屋、心電図の音が鮮明に聞こえる。見渡すとカーテンで仕切られ、俺には沢山の管が繋がられていた。
「 … 、 ぅあ、 」
掠れた声に、全くと言っていいほど力が入らない。
全身の痛みに動く気力さえ奪われ、ただ天上を眺めていることしか出来なかった。
「 いや~、久しぶりだよね。マナ君に会うの、超楽しみなんだけど 」
「 なに言ってんだよ、お前毎日お見舞い来てただろ 」
「 ぁ、バレた。マナ君に話したいこといっぱいでさ、毎日あったこと全部話してたんだよね。 」
「 お前旦那かよまじで 」
ドアの前からそんな会話が聞こえてくる。バーン!やっほーマナ君とイッテツの嬉々とした声と共に勢いよく扉が開かれた。
「 っあ、マナ君起きてんじゃん 」
「 イッテツ…リト、ウェン…っ、 Dyticaまでお前ら、なんやねん っ 」
「 えー折角来てあげたのに酷くない 」
「 揃いも揃って、 お前ら俺のこと好きすぎるてホンマに 」
零れそうな涙をいつもの様に笑って誤魔化す。隠してしまえば、辛いのもしんどいのも、自分も相手も気づかないと思った。
「 てかマ ナ、お前体重軽すぎな。退院したら皆で食いいくぞ。 」
どうやら意識が無くなった俺を運んだのは小柳らしい 。
「 ホントマナの戦い方は心配になる。自分を犠牲にして戦うのいい加減やめてよ。俺たちの心臓が持たない、今回は本当に怖かった。 」
「 次したらぶん殴るから 」
Dyticaもちゃんと心配してくれていたのなんて知らなかった。自分の周りだけで精一杯だったから、周りが真っ暗で見えなくなって怖かった。
「 お前らが…、俺以外の奴が傷つくのを見てるのが耐えられへんくなって、どうせ傷つくなら俺だけでええ。お前らが怪我する度に、敵が現れる度にもしかしたらお前らが俺の前から消えてまうような気がして、俺は自分の手に届く範囲は命を掛けても守りたかってん。 」
涙を堪える震えた声、今まで溜め込んできたものが溢れそうで堪らない。
星導が俺の頭をぐしゃぐしゃと、激しくも暖かいその手で優しく撫で回す。
「 そんなの…1人で抱えるには大きすぎるでしょ。マナだけの背中で守れるのには限度があるから俺たちが居るってこと分かってる? 」
「 ホントだよね、マナが俺たちを守るなら俺たちにもマナを守らせてよ。ヒーローが安心して過ごせる場所があったっていいじゃん、 」
「 俺だけそんな我儘でええんやろか、 」
小柳が俺のデコをめがけてパチンと指を弾く。ジンジンと痛みが残る。
「 アホか、こんなん我儘って言わねぇんだよ。 我儘って言うのはな星導とか俺みたいな奴を言うんだわ 」
「 ぇえ、 俺ぇ…心外なんですけど 」
仁王立ちで腕を組んでいたライが大きく頷く。
「 マナは頼ることを覚えなよ、何のために俺たちが居ると思ってんの 」
「 …そやなぁ、 Dyticaに言われるとか俺相当やん 」
眉を垂らし気恥ずかそうに頬を掻く。
うぐっと苦し紛れに堪えるような声、横目に見ると、目に涙を浮かべて鼻水を流しながら俺を見つめるイッテツ。
「 イッテツ、なんで泣いてるん 」
どうも可笑しくて痛む腹を抱えながら皆で笑う。
「 何でコイツが泣いてんだよ、意味わかんねぇよ 」
「 いや、だってぇ、この展開感動するでしょぉ、、、っう、 」
全身の重荷が取れた様に軽く感じる。
俺の届く範囲でいい、目に見える範囲でいい。
最低限の大切な仲間だけは両手で守れるようになろう、。
こいつらと居るとこんなにも安心するんだろう。その理由は今はまだ知る必要ないと思う。
これからみんなでその理由を築いて行ければいい、共に歩んでその時まで知らないままでいよう。
END )