回想
〜💜side〜
あれは突然だったな…。
なんの前触れもなくいきなりだった。
俺たちはグループとして初めてのドームツアーを控えている時だった。
もう少しで始まるそのリハをしながら久しぶりに全員で集まったからかみんなやけにテンションが高かった。
佐久間が9人いる感じ?わら。
リハはもちろん真剣にやって意見を出し合って…
良いものをお届けしようと9人で頑張ってた…。
合間にはケータリングをみんなでワイワイしながら食べたり、ストレッチしたりと思い思いのことをしながら過ごしたりして…
やっぱり俺はこのグループのこういう雰囲気が好きだなって改めて感じていたんだ…。
…けど俺たちの日常は突然壊れた。
ドドドドドドド…
⛄️「うわっ!?」
🧡「なんやこれ!?」
💙「やべえって!」
💛「落ち着いて頭を伏せろ!」
突然立っていられないくらいの激しい揺れか襲ってきた。
🩷「全然止まらねーじゃん!」
❤️「…中にいるのは危なくない?」
💜「…でもこの揺れの中で動くのも危険だよなぁ。」
全然止まる気配のない揺れ…
地震でもこんなに揺れるなんておかしい…
🖤「…これ本当に地震なのかな…?」
🤍「…なんか攻撃されてるような音も聞こえるんだけど…」
たしかにミサイルとかロケットとかが飛んでくるようなピューって音とかドカーーーん!って大きな音も聞こえてくる…。
…まさかなにかが攻撃してきてる?
自分でも有り得ない事を考えている事は分かってるけど…。
💛「…姿勢を低くしながらゆっくり外出ようか。」
💜「…だねぇ。」
未だに止まらない揺れと大きな爆発音。
これじゃ建物の中にいるのは危険すぎる。
照の言葉に頷いてみんなそれぞれがそれぞれに近い出口に向かって歩き出した時だった。
💚「…何これ…。」
🩷「阿部ちゃん?どうしたの?」
💚「…これ見て。」
🩷「なにこれ!?」
阿部ちゃんがスマホを見て愕然としていて阿部ちゃんのスマホを覗き込んだ佐久間がでけぇ声を上げた。
💙「…なんなんだよ!」
🖤「うわっ!なんだこいつら!?」
🤍「…ガイコツ?」
🧡「めっちゃ居るやん!」
💜「…もう訳わかんねぇ。」
💛❤️「……………………。」
スマホを見たまま動かなくなった2人をみて俺たちも自分のスマホをとって画面を見つめた。
そこにはガイコツのような骨だけの奴が無数いて街を破壊しまくっていた。
しかも武器を持っている奴もいれば戦車や戦闘機のようなものを操ってる奴まで…。
この止まらない揺れと大きな爆発音はコイツらの所為か…。
…いや、何納得してんだ俺は。
こんなのおかしいだろ…。
🩷「…これ完全に2次元じゃん。」
💙「佐久間!いくらアニメが好きだからって俺たちを転生させたのかよ!」
🩷「いやいやいや!俺がそんなことできるはずないでしょ!」
❤️「佐久間じゃなくても誰にも無理だよ。」
🩷「…この状況でも普通に突っ込めるんだね笑。」
3人のおかしな会話を聞きながらもう一度スマホに視線を移す。
バラバラになった街と人々の泣き叫ぶ声…。
ほんとに何が起きてんのか俺の頭はパニックだった…。
スタッフ「皆さん早く逃げてください!」
俺たちがいる所にスタッフさんが慌てて入って来て逃げるように促してきた。
スタッフ「ここにも化け物が…うわああああ!!!」
⛄️「……………………!」
この場所にもあのガイコツが出て来た事を伝えてくれようとしたスタッフさんが目の前で襲われた…。
嘘みたいな光景に誰も何も言えずにただ呆然としていた。
🧡「…嘘…やろ…こんなの…。」
腰が抜けた様子の康二が座り込んでいる。
☠「ぐわあああああああ!!!」
💛「とにかく逃げるぞ!」
💜「出口に向かって走れ!止まるな!」
💛「康二立てるか?」
🧡「…照兄。」
💜「俺たちがついてるから。」
俺たちに気づいたガイコツがこっちに向かってきた。
俺たちは何とかガイコツの間を通り抜けて出口に走った。
〜💛side〜
💛「…巻いた…か。」
何とかあのガイコツのような化け物から逃げてきて一息ついたって言っても全然安心なんてできないけど…。
💜「康二落ち着いたか?」
🧡「…ごめんな…俺の所為でふっかさんも照兄もボロボロになって…」
💜「こんなんただのかすり傷だし問題ないよ。」
💛「いきなりこんな状況になったんだ。無理もないよ。」
俺とふっかで康二を守りながら何とか逃げてきた。
🧡「…みんな無事なんやろうか。」
康二が放心状態の中で小さく呟いた。
ここにいるのは3人だけ。
スマホも何も使えないから連絡の取りようがない。
💛「大丈夫だ。みんななら。」
💜「俺たちだってなんとかなったんだから。」
💛「今はもう少し様子を見て大丈夫そうなら帰ってみようか。」
💜「うん。」
バラバラになってしまった街を眺めながら時間が過ぎるのを待った。
〜🖤side〜
🖤「近くにはもう何もいないみたいだな。」
🤍「…何とか逃げられた。」
あの化け物から逃げ切って俺とラウールは地面に座る。
🤍「…ほんとになんだったんだろ。」
🖤「佐久間くんが言ってたみたいにとても現実とは思えないな…ん?誰か来る!」
🤍「……………………!」
誰かが瓦礫を踏んで歩いてくる音が聞こえる。
…今襲われたらさすがに俺たちは終わりだ。
💚「…翔太。落ち着いた?」
💙「…ああ。ごめん…。」
💚「謝らなくていいよ。誰だってパニックになるのは当たり前だから。…俺も全然状況は掴めてないし。」
🖤「阿部ちゃん?しょっぴー?」
💚「めめ!ラウール!」
聞きなれたその声は阿部ちゃんとしょっぴーだった。
🤍「阿部ちゃん!しょっぴー!」
🖤「…良かった…」
💙「おい!しっかりしろ!」
💚「大丈夫!?」
メンバーに会えて安心して力が抜けてしまった…。
阿部ちゃんとしょっぴーが慌てて支えてくれてるけど2人の腕の中がいつも以上に暖かくて…涙が止まらなかった。
💚「2人で頑張ったね。」
💙「落ち着くまでここに居よう。大丈夫そうなら帰ろう。誰かいるかもしれない。」
阿部ちゃんとしょっぴーの優しい声を聞いて頷く。
2人だって怖いはずなのに。
💚「翔太だって号泣だったのにね笑」
💙「おい!今それ言う必要ないだろ!」
💚「ごめんて笑」
🤍「しょっぴー子供だね笑」
💙「号泣してたお前らに言われたくねぇ!」
こんな状況なのにそうとは感じさせない雰囲気に俺も心から笑えた。
〜🩷side〜
🩷「…はぁ…はぁ…はぁ…。なんだったんだよ!」
俺はとにかく走り回ってどこか隠れられる場所を探してやっと見つけた。
訳のわかんない気持ち悪いガイコツたち。
アイツらが問答無用に襲いかかってきた。
何とか逃げられたけど身体はもうボロボロ…。
体力お化けの俺でもキツいわ…。
🩷「うっ!痛っ!」
急に右足に激しい激痛が走った。
見ると右足は腫れていて気持ち悪い色になっていた…。
🩷「…やったなこれ…。骨いかれてんじゃね? 」
逃げるのに必死で怪我をしたことなんて気が付かなかった。
けどまぁ俺は怪我が多いしなんとかなるかな。
❤️「怪我を甘く見ちゃダメだよ。」
🩷「涼太!」
突然俺の肩に誰かの手が置かれて振り返ると涼太がいた。
❤️「肩貸すからもう少しだけ頑張れる?」
🩷「うん。ありがとう。」
涼太の肩を借りながら人気のないところに移動する。
涼太は瓦礫から棒を見つけて自分が持っていたタオルを巻いて応急処置をしてくれた。
🩷「ありがとう。さすが落ち着いてるね。 」
❤️「これでもパニックになってるよ。さすがにこんな状況になったらね。それよりも冷静にしててね?」
🩷「分かってるって!阿部ちゃんみたいな事言わないでよ!笑」
❤️「怪我してもアクロバットをやるような人だからね佐久間は。」
🩷「それはさぁ!」
❤️「元気だね笑」
🩷「何?急に笑笑」
❤️「それが一番だよ。佐久間は。」
からかってるのかと思ったけど涼太がそんな冗談っぽく言うはずがないし…。
❤️「別に深い意味は無いから。」
🩷「…うん。分かってるけど…。」
さすが舘様。
恥ずかしいことをサラッと言える笑
🩷「…もうすぐ日が暮れるのか。」
❤️「暗くなる前に帰った方がいいかも。」
いつの間にか夕日が出てきていてそれだけの時間が経った事を実感した。
❤️「ゆっくりでいいから。帰ろうか。」
🩷「うん。ありがとう。」
俺は涼太の肩を借りながら歩き出した。
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