学校も、家も、この世の中も、
僕には居場所が無かった。
だからもう、死のうと思った。
夢も、やり残した事も、まだまだやりたい事も、興味も、全部諦めて
この身体を楽にさせたいと思った、 、
─────ザーポタポタッ
ゆらねろ。「あともう少しで…」
僕はある自殺スポットに行くことにした
同じ思い、苦しみを持った人達が
空の上で見守られて死ねるかもって
???「君はまだ早いよ」
聞いた事の無い、優しい声が聞こえた、でも、どこか寂しい声。胸がギュッってなるような暖かい声色
触れたらすぐ散ってしまうような、
ゆらねろ。「ポロ…」
自然と涙が溢れた、泣きたくないのに
自分の弱みを出したくないのに
ゆきむら。「ゆきむらも、同じ」
見上げると傘を持った長身の人
顔はよく分からないけど、
なぜか親近感が沸いた
彼に抱っこされたのか、人肌に触れる、その人は痩せていたため、骨っぽい身体つきだったけれど、
_______柔らかく、暖かい。
生きていた中で一番居心地が良かった、
歩く度に揺れるふわふわな髪や揺れる身体、スピード感が
全て、僕を安心させた
そして僕は安心したのかゆっくりと瞼が落ち、
景色が黒くなった
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ゆらねろ。「んぅ…ここ…」
目を開けるとぬいぐるみだらけの部屋。
薄暗く、カーテンの隙間から照らさた月明かりが『彼』をより綺麗に見せた
ゆきむら。「〜♪」
綺麗な歌声が聴こえた、美しく、儚い歌声
ゆきむら。「起きた?」
ゆきむら。「まだ寝てて良いのに」
あの時、おぶられた時と同じ、彼の匂い
ほんのりとラベンダーの香りがし、優しい匂い
そして彼の優しい微笑みがより僕をほっとさせた。
ゆきむら。「1人で起き上がれる?」
ゆらねろ。「そんくらい…自分で出来る…」
ゆらねろ。「いっ…」
意地を張って自分で出来るなんて言ったが、
やっぱり身体の痛みと頭痛はまだ残ってる
ゆきむら。「ふっ…w…大丈夫、ゆきむらが起き上がさせて上げるから。」
やっと鮮明に顔を見れることが出来た、
綺麗な顔立ちだった、なぜか左目は髪で見えない、透き通った紫の髪、ピアスを多くつけており、僕よりほんのちょっと長いウルフヘア
そしてダボダボな服に滲んだ赤い染み。
ゆきむら。「よいしょっと…」
ゆきむら。「ごめんね、部屋汚いし、勝手にこんな所連れて来て。」
ゆらねろ。「いえ…ここに居る方が、落ち着きますので。」
ゆきむら。「なんか、あったの?」
ゆらねろ。「…」
しっかり図星。なにか感ずいたかのような表情を向ける
ゆきむら。「大丈夫。思い出すのが辛かったら無理に話さなくて良いよ、苦しかったねよく頑張った。」
凄い洞察力にびっくりする、なにか精神科
かと、思ったけど多分違う。部屋に所々、
眠剤や、ぐしゃぐしゃになった紙、抜けた髪、ハサミなどが散乱している。
そしてこれだけ丁寧に置いてあった。
クマのぬいぐるみと、彼と知らない5人が写った写真立て、小さい文字でこう書いてあった
【KnightA ゆきむら。卒業おめでとう。】
ずいぶんと大事にしてるのか、一つも傷がついていない状態。そして紅色、桃色、水色、緑色、黄色といったメッセージカードがある
そして全部ゆきむらさん宛。
ゆきむらって名前なのか、
ゆらねろ。「ゆきむらさん」
ゆきむら。「ん?」
ゆらねろ。「この人達…誰ですか?」
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なんかね、ずっとこの二人絡んで欲しいと思ってたんよ