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Morfonicaの『メランコリックララバイ』を聞いて書きました。歌詞の内容含んだりしています。
⚠注意⚠
・一応白宝時代だが、時間軸迷子
原作と矛盾してるところがあるかも
・性格、口調迷子
・誤字脱字
・これでも玲凪だと言い張る
それでも大丈夫! という心の広い方はどうぞ!
ジリリリリリ………カチッ
今日もけたたましく目覚まし時計が一日の始まりを告げる。
それを寝ぼけながら止めて、いつものように窓際にいる同居人(?)に挨拶をした。
「おはよ、チョキ。」
チョキをツンツンつついてそのチクッとした痛みで完全に目が覚めて、めんどくさいけど学校に行く準備をする。そこまではいつも通りだった。
「うわ…いつもよりひどい…」
洗面台にたって鏡を見てみると、いつもよりも酷い寝癖。前なら全然気にしなかったのだけど、最近はそうもいかない。
(濡らしちゃえばなおるか)
ピンポーン
そう思ってシャワーを浴びようとした時、突然チャイムが鳴った。
「凪ー!迎えにきたぞー!」
聞こえてきたのは玲王の声。
(え、まだ準備終わってないんだけど…)
スマホの時間を確認してみれば、玲王が迎えに来る時間だった。
(目覚まし時計の時間遅れてる…最悪…)
嘆いても時間は戻らない。大慌てで寝癖をなおして服を着替え、ゼリー飲料をくわえて家を出たのだった。
*
「ごめん、レオ。お待たせ。」
「おう。ま、始業時間には間に合うし大丈夫だぞ。もしかして寝坊か?」
「うん。まぁ…。」
「普段は時間通りなのに珍しいな。お前意外と朝はちゃんと起きてるのに。」
(はぁ~、レオ待たせて迷惑かけちゃったし、ほんと最悪…)
「あ、寝癖ついてるぞ。」
「え、どこ?」
大慌てでなおしていたため、見逃した寝癖があったらしい。
「なおしてやるからちょっとこっち来い。」
「うん…。」
凪は玲王に特別な感情を持ってる。それがなんというのかまだ掴めていないが、せめて隣に立つ以上、身だしなみは最低限きちんとしようと決意したばかりでこの出来事だった。
(おまけに寝癖も見られてなおしてもらってるとか…最悪更新中…)
「よし、なおったぞ。」
「ありがとう。 」
その後は何も無いように振舞っていたが、すでにもう家に帰ってしまいたい凪であった。
*
授業は相変わらず寝て過ごし、4限目の途中に空腹で目が覚めた凪は隠密パンしようとカバンを見るが、普段なら菓子パンが入っているであろうそこには何も無かった。
(うわ…パン忘れた…。お金持ってきてたっけ…。昼休みに購買行かないといけないのめんどくさ…。)
結局隠密パンも出来ず、寝る気にもなれず、珍しく授業の最後まで起きていた凪はしぶしぶ購買へパンを買いに行くのだった。
*
昼休み、パンのコーナーは混んでおり、そこに混ざるのをめんどくさがった凪の昼食は結局朝と同じゼリー飲料であった。
(別に食べる物なんて何でもいいけど…)
果たして相方はなんて言うだろうか。そして部活までこれで頑張れるだろうか。
そう思いながら屋上への扉をあける。
「お、凪!やっぱりここに来たな。お前普段は呼びに行くまで教室にいるのに、どこ行ってたんだよ?」
「んー、ちょっと購買行ってた。」
「いつもの隠密パンはどうしたんだよ? 」
「忘れたー。」
レオの隣に座り、ゼリー飲料を飲む。
「お前昼それだけか?」
「うん、パンのとこ混んでたんだよね。混ざるのめんどくさいから。」
「お前なー、今日は部活できないだろうけど、さすがにどうかと思うぞ?」
(今日部活できないんだ?ラッキー)
そんなことを考えていると、玲王が凪に箸を渡してくる。
「ん?何?」
「俺の弁当すこしわけてやるよ!それだけじゃ午後もたないぞ?」
(ほぼ授業寝てるし別に大丈夫だけど…)
そう思いつつも玲王の弁当はどれも美味しそうであり、くれるなら…と箸を受け取る。
「ありがとう。じゃあこれもらう。」
ケチャップのついたちっちゃいハンバーグみたいなのを取ろうとすると、箸でしっかり掴んだつもりであったが、すべって落としてしまった。その落下地点は凪の白いブレザーであった。
「あっ。」
「凪!?シミになっちゃうぞ!」
慌てて拭く玲王。もういいや、と手でそれを取ってひょいぱくと食べてしまう凪。
ブレザーにはケチャップのシミが残ってしまった。
(今日は普段以上にめんどくさー…)
*
午後の授業も寝て過ごし、ホームルームも終わった頃にやっと起きた凪は窓の外を見てギョッとする。
(うそ…、さっきまで晴れてたのに土砂降りじゃん…。レオが言ってたのはそういうことか…。)
今日は元から午後は土砂降りの予報だったのだろう。だから部活ができないって分かっていたのだ。
(あーあ、傘持ってきてないし…。今日はほんと最悪…。 )
今日のことを振り返り、凪の気分はどんどん下がっていく。
(てか、朝の目覚まし時計だってちゃんと時間を確認しておけば寝坊することも無かったし、寝坊しなければ寝癖もなおせたし、パン忘れたりもしなかったし。天気予報だってこまめに確認してれば傘を持ってきてたのに…。なんかもう、不運てか日頃の行い?ミスの連続?なんか嫌になっちゃった…。)
もはや考えるのを放棄していると、また元気な声が聞こえてくる。
「凪ー!いるか?」
「レオ?何?今日は部活できないでしょ?」
「何言ってるんだ凪。俺たちはワールドカップ優勝を目指してるんだぞ!休みなんてないの。今から俺の家でサッカーのプレイ映像見るから、行くぞ!」
「えー…。」
有無を言わさず、連れ出されるのであった。
*
玲王の家に着き、まず先にブレザーを脱ぐように言われた。脱いだブレザーはばぁやに回収されていった。
「ばぁやに頼めば明日の朝にはもうシミ取れてるからな!」
「…?明日の朝?帰るまでにじゃなくて?レオが家まで持ってきてくれるの?」
「何途中で帰る気でいるんだよ。朝まで入ればいいだろ、ウチに。」
「それって泊まり?」
「ああ!」
(いや、何で…?)と思わざるを得ない凪である。
「こんな土砂降りの中、傘も無いやつを帰す訳には行かないし、リムジンで送ってくなら朝一緒に登校した方が効率いいだろ!荷物なんて朝取りに行けばいいし。服も俺と同じサイズで大丈夫だろ。」
「確かに…。あれ?俺、レオに言ったっけ?傘忘れたって。」
「いや聞いてないけど、お前傘持ってなさそうだったし。それに朝から調子悪そうだったからな。」
(うっ…)
完全に図星である。
「…でも俺、調子が悪いわけじゃないよ。全部日頃の行いだよ…。」
ちょっとだけどこかへ行っていた今日の出来事がまた戻ってきて凪の気持ちを曇らせる。
「レオにも迷惑かけるし…。」
「え?迷惑?俺が?」
「朝待たせちゃったし、寝癖もなおしてもらったし、お昼も分けてもらっちゃたし、ブレザーも今洗ってもらってるし…。もしかして、俺が傘持ってなさそうだったからこうして家に呼んでくれた?だったらそれも…。」
「待て待て!それは全部俺がしたくてやってる事だぞ!」
「え…?」
「朝迎えに行くのも俺がしたくてやってることだし、寝癖をなおすのも凪の髪を触れてラッキーって思ってたし。弁当のおかずをわけてやったのも、凪が美味しいって喜んでくれたらいいなって思ったからだし。雨が降った時も朝お前が傘を持ってなさそうなの思い出して家に誘う理由が出来たなって思ってた。」
「そうなんだ…?」
「だからぜんっぜん!迷惑なんて思ってない!」
そんなに力いっぱい否定されると思っておらず、凪のさっきまでの腐ってた気分もどこかへ行ってしまった。
「そんなに落ち込むなら今日の出来事を失敗って枠に当てはめなきゃいいんだよ。今日の凪は調子が悪くて、運が悪かった。それだけだって。」
「そうかな。」
「そうだよ!だから明日は良いことがあるって!例えば…持ってる株の値段が上がるとか!」
「ふっ、何それ…それはレオにとってのいい事じゃん。」
「やっと笑ったな。ほらほら早くサッカーのプレイ映像見るぞー。」
(失敗の枠に当てはめなければいい…か。そっか…。それに俺にとって悪いことでもレオにとってラッキーって思ったりすることなら、まぁ…悪くないかも。)
*
「あはは、そりゃ朝から大変だったな。」
「俺にとっては笑い事じゃないよ…。」
サッカーの映像見て、夕飯もご馳走してもらって、お風呂ももらって、結局今日何があったんだ?って話題になってこの会話。
「悪い悪い。そんな一日中不運な凪に俺から何かプレゼントしてやるよ。何がいい?」
「明日を頑張る元気が欲しい…。」
「なんだそりゃ(笑)」
さっきまで割と本気で挫けそうになっていたのだから、仕方ないじゃんと思う凪。
「それじゃあ特別に俺が髪を乾かしてやるよ。」
「あ、めんどくさかったからそれはありがたいかも。」
ドライヤーを持っている玲王の前に座ると、玲王が凪の髪を乾かし始める。その手つきが丁寧で凪はうとうとし始めてしまう。
「やっぱ凪の髪はふわふわだなー。」
「うん…。」
「明日はいい事あるといいな。」
「う…ん…。」
「おーい、凪ー?」
返事が無くなってきた凪の顔を覗き込むとスースーと寝息をたて寝始めていた。
「仕方ねーなー。お休み、良い夢を。」
そう言ってそっと凪のおでこにキスをする玲王。
明日はきっと大丈夫。気づけば本当に玲王から『明日を頑張る元気』をもらえた凪であった。