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文スト
何でも許せる方のみ
「暇」私は脳裏にその事がよぎる。
部屋にあるトランプ、将棋にオセロ。
それを何百回、何千回もした。
いやそれ以上はしたに違いない。
それぐらい飽きるまでするとそろそろ暇になる。
夜中の0時に暇潰しとして扉を開けた。
最初は人の少ない公園からボーッとして何も考えずにいた。
そしてしばらく歩いていると人盛りの多い路上に着いてしまった。
私は地面を眺める。
誰かが話している音、何かが動いている音、そして雨の音、様々な音が不許和音になっている。
甘ったるい香水も鼻が可笑しくなる程のタバコの匂いも薬や吐瀉物の匂いも混じり合う香りが表力的に鼻を殴った。
気分が悪い。今にも吐きそうだ。
少しでも人のいない場所から遠ざけようと裏道に逃げた。
少しばかり深呼吸をした。
人の居ない空気を吸うのは清々しかった。
上から人なんて落ちて来ないよな。
自分は冗談のような気持ちで座り込んだ、少し黒い空模様を上を見上げる。
すると、黒衣の死体が落ちてきた。
何故、死体だと判断したのかはわからない。
だけど死体だ。
微かに屍が溶け込んでいる景色は奇怪にしか思えなかった。
少しでも早く立ち上がり受け止めようとするも受け止め方が分からずに黒い男の下敷きになった
「イッタツ、、誰?僕の自殺を邪魔したの?」
幽霊が喋っている。
私は鉄臭さを感じ取った。
「、幽霊が自殺なんて可笑しな話だな」
私が不意に笑った。しかし彼は不機嫌だ。
「僕は幽霊ではないよ・・・それに・・・」
話を続けている彼は横腹に血液を流している。
日の丸印の模様が白いシャツに浮かぶ。
少し話すのも辛そうだ。
私は着ていたシャツを脱ぎ、彼の傷口を塞げるぐらいの大きさで破った。
「僕の話を聞いていたかい?.何をして…・・」
ハンカチで流れ出る血液や汚れを拭き取る。
その清潔な布切れを傷を塞いだ。
黒衣の者は困惑し私を見つめた。
「怪我をしていたから応急処置をしただけ、それじゃあ」
面倒話が続きそうだったので私は帰ろうとすると私の腕を引っ張った。
「・・・君は女性だろう?」
「ああ」頭を縦に動かす。
「それ、今上だけ下着だよね」
「ああ」
「適当に返事している?」
「ああ」手を顔に当て男は呆れていた。
「僕のことはどうでもいい。君は服を着たまえ」
「着ているが?」
「其れは下着だろう?!目のやり場に困るんだよ」
「私は困らない」
「あーもう、」
男は黒衣の物を渡し私に着させた。彼の血液、反吐の匂わせてくる。
汚くツンとした匂いが何故か落ち着いてしまった。
「僕の名は太宰治。
今度でいいから返してくれたまえ」
太宰がいうと傷付いた横腹を隠すように闇に溶け込んでいった。