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飛行型の魔物たちは、空を覆うようにして襲いかかってきた。鋭い爪と獣のような顔を持つその魔物たちが、異魚天とレイスが配置した防衛線を越えようと猛進する。
「ちっ、やっぱり来るか!」 サブは短く叫び、蟠竜を駆る。
「おう、ここで躱すなよ!」 みりんが飛び乗る準備をしながら言った。
サブはその言葉に返す暇もなく、蟠竜を操って空に舞い上がる。
グオオオオオッ!
蟠竜は巨大な体をひねり、地面から飛び上がる。金色の鱗が月明かりに照らされ、その姿はまるで火の玉のように見えた。蟠竜の眼は燃えるように赤く、口からは熾熱の炎が吹き出す。
ドウッ!
サブの指示を受け、蟠竜は魔物の群れに向かって突撃する。燃えるような尾を振るって、魔物をひとひねりで弾き飛ばす。
「いけぇぇ!」 サブが叫びながら振り下ろす。蟠竜の炎が炸裂し、目の前の飛行型魔物たちを一気に焼き尽くした。
グァアアアアッ!!
焼け焦げた魔物たちが空中で爆発し、その破片が散らばる。だが、すぐに別の飛行型魔物たちがその隙間から姿を現し、サブに向かって突っ込んでくる。
「また来やがったか!」 サブは冷静に操縦しながら、再度蟠竜に炎を吐かせる。
その炎の中、次々と飛行型魔物が焼け焦げていくが、無限に湧いてくるかのように、魔物たちは次から次へと現れる。
「うーん、これじゃきりがないな。」 サブは呟き、後ろで戦うみりんを振り返った。
みりんは空中で軽やかに舞いながら、飛行型魔物を一つひとつ斬り裂いていく。
「サブ、あんたが吹き飛ばした魔物たちを片付けてるんやで!」
みりんの鋭い言葉を耳にし、サブはそのまま勢いよく炎を吹き出し、再び魔物たちを薙ぎ払う。
その時、空の奥から別の大きな影が迫ってきた。
「あれは……?」
サブの目が見開かれる。空を覆うように、巨大な魔物の影が現れた。それは飛行型魔物たちの中でも最強の「魔導獣」——その名の通り、飛行能力と魔法の力を兼ね備えた異形の存在だった。
「くっ、やっぱりこう来たか。」 サブは舌を打ちながら一度引き、蟠竜を方向転換させる。
その巨大な魔導獣は、魔力を込めた光線を放ち、蟠竜に向かって迫る。
「サブ、こいつの攻撃は強力だ。反撃しても焼け石に水だろう。」 みりんが警告する。
サブは深く息を吸い込み、覚悟を決める。
「だったら、どうやって倒すか……それが問題だな。」
その瞬間、蟠竜の背中に乗るサブの腕がひときわ力強く動き、蟠竜の口から放たれる炎の直撃を魔導獣に向けて撃ち込んだ。