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春になり、新学年が始まった。
私はついに**2年生**になり、先輩は**3年生**に。
(ついに1年生が入ってくるんだ…!)
そして、今日はテニス部の**新入生歓迎会**!
須田先輩が卒業し、新しい部長になったのは**西山先輩**。
先輩と同じ3年生で、テニスの実力もあるけど、ちょっと適当な性格らしい。
「おーい!新入生集まってー!」
テニスコートで、西山先輩が大きな声で呼びかける。
「お前ら今日からテニス部の一員だ!楽しくやろうな〜!」
(わぁ…須田先輩とはまた違うタイプ…)
「はい!よろしくお願いします!」
新入生たちが元気よく返事をする。
そんな中、私はある1年生に目を引かれた。
(……なんか、この子、めっちゃキラキラしてる…)
ショートカットで爽やかな雰囲気の女の子。
テニス経験者らしく、堂々とした態度だった。
「ねぇねぇ、先輩ってテニス強いんですか?」
突然、その子が話しかけてきた。
「えっ?あ、うん。まぁ、一応…!」
「じゃあ、後で試合しましょう!」
「ええっ!?」
めちゃくちゃ積極的!!
そんな様子を、先輩が遠くからじっと見ていた。
(……あれ?なんか、ちょっとだけ不機嫌?)
「広瀬さ〜ん!ちゃんと1年生にアドバイスしてあげてね?」
西山先輩が先輩の背中を叩きながら言う。
「……別に。」
「ほらほら、そんなこと言わずに!お前、もう3年なんだから、後輩の面倒見ろよ〜!」
「……わかってる。」
先輩はため息をつきながら、ゆっくり新入生たちの方へ歩いていった。
私はその様子を見て、少し笑ってしまう。
(先輩、ほんとは面倒見いいのに、ツンツンしちゃってるなぁ…)
それにしても――
(先輩、もう3年生なんだ……)
(……あと1年で卒業しちゃうんだ……)
そう思うと、ちょっとだけ胸がぎゅっとなった。
「おい、くるみ。」
「え?なんですか?」
「ボーッとしてんな。」
「……してないですよ!」
「顔に出てる。」
「うぐっ…」
(さすが、先輩にはバレバレか…)
「……ま、いっか。」
「え?」
「どうせ、俺のこと考えてたんだろ。」
「はぁっ!?!?」
(ちょっ、何その自信満々な感じ!!)
「な、なんでそうなるんですか!!」
「図星か。」
「ちがっ!!!」
「ふーん。」
先輩はちょっとだけ口角を上げて、私をからかうように見つめる。
(ちょ、最近の先輩、余裕ある感じでめっちゃズルいんだけど!?)
「……ほら、新入生に挨拶してこいよ。」
「うぅ……はいはい、行きますよ!!」
こうして、新入生歓迎会はドタバタしながらも進んでいった。
(だけど、先輩の卒業までの時間が、確実に減っているんだなぁ……)
それを思うと、私は少しだけ切ない気持ちになった。