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第一章・修行編⑩:「新たなる挑戦者たち」
鳥取は汗を拭いながら、兵庫との修行を振り返った。
「ふぅ……今日はこれくらいにしとこうか。」
兵庫は腕を組み、少しだけ余裕を見せる。
「でも、お前、確実に強くなってるな。」
大阪が笑いながら、鳥取を見守っていた。
「いや、まだまだです。」
鳥取は苦笑いしつつ、ぎこちなく拳を握りしめた。
その時——
「おい、鳥取!」
背後から、突然の声が響いた。
「ん?」
鳥取が振り返ると、広島と岡山がこちらに向かって走ってきていた。
「お前、何してんるん。」
広島が腕を組んで歩きながら、鳥取に声をかける。
「……広島さん、岡山さん?」
鳥取が少し驚きながらも、顔を上げた。
「何をしてんねん、て、こっちが聞きたいわ。」
岡山がニヤリと笑いながら言う。
「まあまあ、そんなことより。」
広島が視線を鋭く向ける。
「お前、まだ修行してるんだな。」
「もちろん!」
鳥取は力強く答える。
「ほう、さすが鳥取だな。」
広島はニヤリと笑った。
「でもな、俺らも負けてられんし、ちょっと一緒にやらんか?」
「え?」
鳥取は驚いた表情を見せた。
「広島さん、岡山さんも……?」
「もちろん。」
岡山が口元を歪ませる。
「今のままやったら、こいつに勝つのは厳しいやろ。」
広島が手をひらひらと振って言う。
「兵庫と大阪に勝つには、他にも鍛えなあかんやろうからな。」
「でも……俺は」
鳥取は少し考え込みながら言った。
「それに……」
「お前が一番に挑むべき相手は、広島かもしれんな。」
兵庫の静かな声が響いた。
兵庫が視線を広島に向ける。
「お前、こんな奴に負けんのか?」
「……負けるか、アホ。」
広島が笑って返した。
「さて、どうする?」
「い、行きます!」
鳥取は目を輝かせ、広島に向かって突っ込んだ。
その瞬間、広島の目が一瞬だけ鋭く光った。
「ほぉ、来たか。」
広島の体が反応し、鳥取の攻撃をすばやく避けた。
「……速い!」
鳥取は驚き、すぐに身を引いて距離を取る。
「動きが違うな、兵庫とはまた違う。」
兵庫がしばらく黙って広島の戦闘を観察している。
「お前、何かを学んだな。」
「……学んだんかもな。」
広島がまた不敵に笑った。
「けど、これが実力や。」
そして——
戦いは、すぐに激化した。
〈続く〉