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なぜか今日の夜は寝付けなかった。
とても気持ちが悪く、頭痛も酷かったので
拾ってきた猫のせい、と猫に心の中で八つ当たりをした。
_ふと猫のことを考えてみると、いつもの五月蝿い鳴き声が聞こえない事に気づいた。
どこか悪いのかと思い、昨晩猫を寝かせた部屋へと向かう。
扉を開けると共に、目が眩む程の眩しい光が指した。
思わぬ出来事に困惑しながら、恐る恐る部屋の中を見渡した。
猫は居たのだが_、なんだか様子が変だった。
顔色が悪く、寝たきりの状態。
それよりも、どうしてあんな光か差したのか。
他のことなんか気にする余裕も無く、その事ばかり考えていると、
猫が突然起き上がり、私の方によろよろとしながら寄ってきた。
「…?」
不思議に思い見つめていると、猫が私の足に擦り寄って来た。
その瞬間、目の前が真っ白になり、気づくとなぜだかベッドの上で横たわっていた。
何が起きたのか理解出来ずに、困惑している私を置いていくと言わんばかりに、外からの日光が私を照らした。
「…そうだ、猫……。」
もしもあれが予知夢的なものだったら、とか色々考えて、少しの好奇心と多くの恐怖心を抱きながら猫がいた場所へと向かった。
ギィイィ_
古びた扉が開くと、そこには目を疑うほどの光景が広がっていた。
辺りは羽毛だらけで、窓やガラス製品は全て割れていた。
「はぁ……?」
余りにも非現実的な展開に私の思考は追いついていなかった。
必死に整理しようとしたが、一凡人には出来るはずもなく、情けなくその場に立ち尽くした。
そんな状況が数分続くと、純白の翼を背中に付けた猫が現れた。
その猫は私を見つけるや否や、翼を器用に使い私の方へとやってきた。
今まで通り、少し鬱陶しい仕草で。
最初は私が飼っていた猫か、と疑ったが
以前と変わらない行動が私の心を納得させた。
その猫は、まるで私を空へと導く様にして寄ってきたが、
私のなけなしの防衛本能が働いたのか、
「…っ嫌!」
と言い、猫を見放った。
その猫は少し寂しそうな顔をしながら、
割れた窓から飛び立って行ってしまった。
「なにが、何だったの……」
恐らく、人生史上一番意味のわからない出来事だっただろう。
今までの事を忘れようと、私は徐にベットへと向かった。
毛布を被っても肌寒く、…というか悪寒がし、
また、昨日の夜更けと同じような事を繰り返していた。
寝る間際に見えた鏡に写った私の顔は、
とても醜かったような気がする_