はじめての出会いは、授業だった。
「はじめまして。英語担当の中間です。あと、選択科目の中国語も担当してます。よろしゅうな」
この時、まだ恋愛感情なんて抱くことなんてなかった。
ただ、唇分厚くて若い先生やなぁ、って印象だけ。
やけど、俺の惚れたきっかけはあった。
「…藤井…、お前藤井のお兄ちゃんか。」
「あ…そうっす、妹のこと知ってるんすか…?」
「おう。お前の妹も中国語取ってたからな。」
その時に俺に見せてくれた笑顔が可愛くて。
心臓が締め付けられる感じがして、あぁ、恋やなって自覚した。
でも、俺は高校生なわけで。この恋なんか叶うもんやなくて。
最初から諦めがついとった。
それでも、この男がそれを応援してくれてた。
「……なぁなぁ、藤井くん、やっけ」
「…?えっと…神山くん、よな。」
「おん、覚えてくれてんねや。おおきに。」
神山くんこと神ちゃん。この時はただ怖い人って印象だったけど、蓋開けば甘いもの好きで可愛い乙女な子だった。
「藤井くんさ、中間先生のこと好きやろ笑」
「へ…?あ、いや、そんなことっ…」
「んふふ、嘘バレバレやでぇ、笑」
どうやら神山くんは恋愛マスター、らしい。
今までに色んな人の恋を実らせたらしいけど…実績ありな人にバレると恥ずいもんやな。
「…どうしたらええんやろか」
「うーん…卒業までは我慢出来んやろうし…、夏休みまでに告れ!」
神山くんは意外にも勢いがあった。
コメント
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ウケるwwwwww神山ぁあwwww