20XX年12月31日 国分寺市A中学校 2年3組
「なんでみんながここに?」
私は浅海李子。A中学校の2年3組で班長をしている。
今日は誰かに呼び出されて、大晦日なのに教室に来ていた。そこには、班のみんながいた。
「それはこっちのセリフだ。」
そう答えるのは本郷健斗くん。いわゆる不良。
「そもそも大晦日に呼び出されるなんて普通じゃないよね。」
彼女は御坂舞ちゃん。ギャル系女子。
「先生たち、いらっしゃらないと思うんだけど。」
牧野あかりちゃん。生徒会長を務めている。
「まあ、いいだろ。面白そうじゃん。」
彼が近藤友麻くん。本郷くんの幼馴染。
「でも、何があるんだろう?」
「そうね…」
その時、教室のテレビが急に点いた。
『初めまして、A中学校2年3組4班の皆さん。私は今回のゲームの案内人を務めます、立川マチです。』
「ゲーム?」
『簡単なゲームです。今日と明日の2日間、皆さんには東京都全域を行動してもらいます。その教室の後ろにあるタブレット庫の最上段に、5体のスマートフォンがあると思います。』
本郷くんがタブレット庫に駆け寄り、開ける。
「あった。」
『指示はそのスマートフォンに送ります。このゲームのルールは3つ。1つ目は、都外に出ないこと。2つ目は、スマートフォンに新たなアプリをインストールしないこと。3つ目は、公共交通機関とレンタサイクル以外の乗り物を使用しないこと。これだけよ。』
「何よそれ?くだらない。私はやらないわ。」
『そう。だったら、あなたたちが犯した“罪”をSNSで公表するけれど。』
「そ、それは…」
舞ちゃんが黙る。
私たちが犯した“罪”。それは…
「じゃあ、やるしかないってことね。」
「そうだな。」
『では、全員参加でいいんだな。』
「李子。班長として、あなたが決めて。」
「やらないなんて選択、できる訳ないでしょ。あれがバラされたら、私たちは生きていけない。全員参加でお願いします。」
『じゃあ、最初の指示はスマートフォンに届いているわ。健闘を祈る。』
コメント
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おもしかったんでハート500押しときました❤️
1コメラッキー!!うわっすごー!続きが見たくなってきたー!!