第二話:星の書の秘密
リュカは黒衣の男、ノクタと対峙していた。星の輝きを奪い、不安定な魔法の力を生み出した張本人——その目は、深淵を覗くような冷たさを帯びている。
「星の力を奪うだと……?」
リュカは杖を握りしめた。魔法使いとして、星の消失を黙って見過ごすわけにはいかない。しかし、ノクタは静かに微笑み、手にしていた古の書物を開いた。
「これは、星の書。かつて、魔法使いたちが星の力を記したものだ。」
ぼろぼろに朽ちた書物のページがめくられる。その中には、古代文字で刻まれた魔法の記述——そして、一つの予言があった。
「最も輝く星が消えし時、闇の力が目覚める。選ばれし者がその真実を解き放つことで、新たな運命の扉が開かれる——」
リュカは目を見開いた。この書物こそ、失われた星を取り戻す鍵なのか?しかし、ノクタは書を閉じ、静かに言い放った。
「お前が選ばれし者なのかどうか——それは、これからわかることだ。」
そう言うと、ノクタは闇の魔法を解き放った。影の渦が塔の中を覆い尽くし、リュカは咄嗟に防御の魔法を展開する。
「お前と戦うつもりはない。でも、この書は渡さない!」
激しい魔法のぶつかり合いが始まる。しかし、闇の力は強く、リュカの魔法では押し返すことができない。
「……このままでは負ける。」
その時、塔の入口から光の柱が立ち昇った。誰かが戦いの場に駆け込んできた——それは、星の巫女セラだった。
「リュカ、手を貸して!」
彼女の力を感じ取ると、リュカは再び魔法を練り上げ、ノクタの影を打ち払った。しかし、ノクタは余裕の表情を崩すことなく、書物を抱えながら塔の奥へと消えていった。
「この戦いは、まだ終わらない——」
闇の魔法使いが去った後、セラはリュカを見つめて言った。
「星の書に刻まれた予言……あなたこそ、その選ばれし者かもしれない。」
果たして、リュカは星の秘密を解き明かし、失われた光を取り戻せるのか?