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この物語の終着点へ続く、”さいごのかいろう”。
地上に近いからか、ここは 地下世界であるのにも関わらず、日差しが差し込み、静かに通路を照らしている。
そんな静寂に包まれた通路を進むと、青いパーカーに黒い半ズボン、ピンクのスリッパを履いたスケルトン、サンズが立っている。
そしてサンズは、もうお馴染みとなってしまった台詞を言う。
「よう。忙しそうで、何よりだな。…お前に聞きたい事がある。救いようの無い悪党でも、変われると思うか?努力さえすれば、誰でも良い人になれると思うか?」
サンズの、いつかお人好しの彼の弟から聞いた台詞に似た問い掛けを無視して進む。
「へへへへ…まあいい。質問を変えよう。」
サンズの目が真っ黒になり、もう一度問い掛ける。
「…お前、サイアクな目に遭わされたいか?それ以上近づくと…心の底から、後悔する事になるぜ?」
今更そんな脅しにビビる訳も無い。再度無視して進む。
「仕方ないな。ゴメンよ、おばさん。だから約束はキライなんだ。」
サンズはそう言うと、目を閉じて続ける。
「今日はステキな日だ。花が咲いてる、小鳥達も、囀ってる。こんな日には、お前みたいなヤツは…」
そう言うとサンズは目を開く。そして目が真っ黒なまま審判を告げる。
「じごくで もえて しまえば いい。」
そうどこか投げやりな発言をすると、サンズの左目が藍紫色と黄色に交互に変色する。
その瞬間、サンズは突如として攻撃を仕掛けてくる。
重力操作、骨攻撃、ブラスター…今まで幾度となく見て来た光景だ、避ける事は容易い。
全て避けきるとサンズは、お決まりの台詞を言う。
「ハハ…いつも、思ってたんだ。なんで、皆最初に必殺技を使わないんだろうって」
そうしてサンズとの戦闘が始まる。
—————————————
まあ、幾ら強敵とは言え、何度も戦って来た相手だ。
特に危なげなく”スペシャルこうげき”まで乗り切り、サンズは疲れ果てて眠りにつく。
その隙を付き、サンズに斬り付ける。が、サンズは目覚め、避けられてしまう。
「おーっと、そうはとんやが…」
そこから先をサンズは言えなかった。私がもう一度斬りつけたからだ。
2回目の攻撃は予測できていなかったのだろう、サンズはまともに受けてしまい、9999999ダメージを負う。
腹と口から血を流したサンズは座り込み、傷を抑えながら語り掛ける。
「………ハハ…どうやら、ここまでみたいだな。…いいか…?オレは、止めたからな?」
そう言うとサンズは立ち上がって言う。
「んじゃ…グリルビーズにでも行くかな」
そう言った後、行きつけのレストランへ向かったのだろう、静かに視界外へ消えて行き、誰に聞かせるでもなく、独り言つ。
「パピルス、お前も、ハラ減ってるか?」
そう亡き弟に語り掛けるサンズを無視して、進む。
幾度と無く辿り着いてきた物語の終点へ。
…いや待て。何故LVが上がらない?
「まさか—」
刹那、私は反射的に左 に駆ける。
すると、私が立っていた場所に骨が飛んできている。
そして、それを飛ばした張本人に目を向ける。
「はは、嘘だろ?」
思わず顔が引き攣り、掠れた笑いが漏れる。何故なら—
「よう。クソガキ。驚いたか?でも、流石だな。今の不意打ちを避けるなんてな。」
そこには、つい先程殺した筈の一しかし血塗れではある-”ヤツ”の姿があったのだから。