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え、あ、そういうこと…?このらっだぁ達は過去のらっだぁ達ではない。部屋は過去の運営達の部屋ってことかな…でもみどりくんは能力のせいで死ぬ事ができないだからみどりくんは過去のまんま。現在の運営達が青鬼の館に呼ばれたのはそういうことか…え、天才面白いもう好きです。付き合いますか??(←は?)
泣きながら寝ているmdくん?見てみたいですね〜…!
暇なわけじゃ無いんだよ…???
「来たねぇー…青鬼の館」
「ホンマにココであっとるん?」
「地図的にはあってるよ」
「レウさんさっすがぁ〜」
鬱蒼と茂る草木。
ジメジメした雰囲気の森の手前。
俺達は実技…ダンジョン攻略に来た。
「んじゃ、早速れっつご〜」
「「「おぉ〜」」」
ゆるっとした掛け声で森に入っていく。
まず最初に思ったのは、随分と道が丁寧に舗装されてるな、って。
「綺麗だね、道」
「攻略済みのダンジョンやからやろ?」
「うぅ〜ん…?」
レウ達も疑問を持ち始めたらしい。
それでも成績を貰うためには、素直に進むしか無かった。
「あ…あれかな?」
「本当だ、館だね…」
「やっとかぁ〜…めちゃ歩くやん…」
「意外とおっきいかも…」
館にたどり着く頃には、全員の息が乱れるくらいに疲れていた。
これ…元の場所まで帰れる……?
「お、扉フツーに開いたで!」
「らっだぁも早くおいで!」
「ぁ…う、うん!!」
本能がそれ以上進むな、と待ったをかけているように感じる。
ぐいぐいと焦茶色で地味なローブを引っ張られ、館に足を踏み入れた。
ギィ…バタン!
「あぇ…?」
「閉まった…!?」
「開かねぇっ、クソが…」
「物品を手に入れたとしても、これじゃあ外に出られないね…」
仕方なく出る方法と良さげな物品を漁りに、各々で行動を始める。
レウとコンちゃんはリビング周辺、きょーさんは玄関周り。
俺は2階を調べる事になった。
「部屋…か?古代文字が結構しっかり残ってる。このプレート1つで、いったい国からいくら貰えるんだろ…」
古代文学など、過去を解き明かすための資料は国家機関に売り渡すことができる。
それ目当てで、決して安全とは言い切れないダンジョン攻略に挑む者だって多い。
「…部屋が5つ…プレートの色も5色…」
どれも手入れは行き届いている。
埃ひとつ無いのがちょっと不気味だ。
…そういえば魔物を見かけないな…
「ま、取り敢えず1番右からかなー…」
一部屋ずつ確認していく。
一番右の、紫プレートの部屋は端的に言ってやばい。コンちゃんの絵にセンスが近い。
絵画…?なんか、画廊みたいになってて…どれもなんか凄まじいセンスの絵だった。
すぐに扉を閉めた。長居したら死ぬ…!!
SUN値がゴリッゴリに削られた…
「…つ、つぎ…」
今度は赤いプレートの部屋。
さっきと打って変わって、ふわふわしたぬいぐるみ…?が多い。レウが好きそう。
は〜ん、なんて言葉を呟きながら進み、すぐ横のクローゼットを開けると真っ赤な毛玉が飛び出してきた。
「〜ァッ!?〜ヴッ!!ッ???!?」
驚きすぎてまともな叫び声すら出せずにその場に尻餅をつく。
パクパクと口を開閉している間に赤い毛玉は開けっぱなしの扉から部屋の外へ出て行ってしまった。
「はぁぁぁあ…もう知らねー…次!!」
今度は黄色のプレート。
比較的落ち着いた部屋だけど、なんか、臭い…何だこれ…何の匂い……??
「あ…これは、タバコ…?」
俺はまだ吸ったことの無いタバコ。
不良学生のきょーさんが吸っているところを何回か目撃したことがある。
きょーさんとおんなじ匂いだね。
特に何も無いなぁ…ミニマリストとか?
クローゼット開ける…?いや、やめとこ。
今度は金色の豚とか出てくるかもしれんし。
「そんなわけないかw」
次は緑のプレートの部屋。
「?…あれ、開かない…」
何かが引っ掛かっているのか、はたまた建て付けが悪いのか、ガタガタと前後に少し揺れ動くだけで扉が開かない。
「しゃーなしやね…次行こ、次ぃー!」
次の部屋が最後だった。
青いプレートの部屋。
「…ぇ、ふふっ、俺の知り合い?」
部屋の雰囲気が自分好みすぎて怖いレベル。
青を基調とした少し大人っぽさのあるシンプルな部屋。
そこにある見たことの無い機械…
「何これ…もしかして、PCってやつ!?」
折りたたまれているそれを開くと、確かに博物館で見たPCと同じ姿をしていた。
こっちの方が断然綺麗だけど。
「すげぇー!どうやって使うんだろ…ん?」
適当にボタンを連打していると、パッと画面が明るくなって、《認証ID,パスワードを入力して下さい》の文字が浮かんだ。
「ぇ、ID?パスワード…?」
確か博物館の説明書きでは、こういう時大体が所有者の名前と誕生日だと書いてあった。
「ヒント、ヒントー…お!」
カレンダーに青いペンで【俺のたんじょーびっ!!!!】と大きく書かれていた。
自己主張の強さに引きつつ、パスワードを入力。あとはIDだから…所有者の名前……
「…PCの下に何かある…手紙?」
古代文字で書いてあるそれを解読することはできなかったけど、きっとこの最後に書いてある単語が宛名だもんね…よしっ、どうだ?
「わぁお、いけちゃった…!」
ガバガバセキュリティに驚きながらひとつだけ残されたファイルを閲覧する。
「…写真もあるじゃあーん!見ちゃお!!」
どうせ読めないから文は適当に流し見て、写真データをクリックする。拡大された写真の人物には見覚えがありすぎる人しかいなかった。1人を除いて。
「これ…お、れ?きょーさんに…レウ、コンちゃんも。じゃあ、この男の子は?」
それぞれが綺麗な白い花を持って笑っていた。多分これは…カスミソウ…?
今はもう咲いていない絶滅した種。
「じゃあこれは、今の俺達じゃない…」
それならば、自分達にそっくりすぎる彼らは一体誰だと言うのだろう…?
「…!、隣から音がした…」
カチリ、何かのロックが外れるみたいな、ゲームで次の道が開かれた時の効果音みたいな…そんな音だ。
「…おじゃま、しま…す………」
男の子が寝ていた。
写真で見た、あの姿そのままで。
男の子は、泣きながら眠っていた。
俺がさっきまで見ていたあの写真を、くしゃくしゃになるほど握り締めて。
彼の周りには小さな白い花が舞っていた。
まるで誰かを待っているかのようだ。
忘れられない…待ち人を。
彼等は…いや、彼は…一体誰だろう?