TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

あまみゃside.



「天宮〜っ!!」


早いものであの事件からはもう2ヶ月になる。わたしの記憶や話し方もずいぶん回復して、学校にも来られるようになった。とーやくんはといえば、あんなにしょんぼりしていたのにわたしが治った瞬間いつも通りのとーやくんに戻ってしまった。


「……もう、とーやくんたら」


それでも、一つだけ変わったことといえば、


「天宮〜、今日も大丈夫だった? 変なやつに変なことされてない?」


「ちょ、それ俺のことかよ?」


「げ、葛葉さん……」


「あははっ! ちょっと、二人とも喧嘩しちゃダメだよ!」


今まではわたしととーやくんだけだった放課後のこの時間に、くずは先輩が加わったこと。二人はよく喧嘩をするけど、それを宥めるのもなんだか楽しい。


「なああまみゃ〜……」


「はいはい、いつものね」


とーやくんはちょっと嫌な顔をするけど、1週間に一回くらいはくずは先輩に血をあげる。最初はちょっとどころかものすごく嫌な顔をしていたけど、前みたいに連れて行かれるのとどっちがいいって聞いたら、渋々了承してくれた。優しい。


「……ぷは」


「っ、ん……終わった…?」


「ん、ばっちし。これで1週間頑張れるわ」


「天宮っ、次僕!!」


「はいはい」


今回の事件で、よりとーやくんとの距離が縮まったような気がするのは、気のせいかな。じゃれあうわたしたちを見て、くずは先輩があったかい笑顔を見せたのは、とーやくんには内緒にしておこうと思う。だって、わたしのために必死なとーやくんって、ちょっと可愛いでしょ?

でもちょっと分かったんだ。くずは先輩は、それも見越してきっとこんなことをやったんだよね。


「……ふふ」


ずっとずっと、こんな幸せが続きますように。

この作品はいかがでしたか?

43

コメント

2

ユーザー

コメント失礼します 拝読させていただきました! ストーリー含め、言い回しなどめちゃめちゃ素敵です✨ 素晴らしい作品をありがとうございました!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚