ニアside
大黒埠頭東南側の外れにある通称「イエローボックス」…相変わらず中はボロく、ファンからは鈍い音が出ている。見た目はそこまで変わらず。といったところだろうか
私はここで一度。死のノートを持った「キラ」という人物と対面したことがある。そして”二人”でLを超したあの日。それを鮮明に覚えていた。
「ニア。気は済みましたか?」
ここまで送ってくれたジェバンニが湿った空間を見渡しながら聞いてきた。
ここに来て数分。しばらくすれば彼がくるはずなのでもう少しここに居ようと思うが。帰ろうか…
いや。留まろう。
「ジェバンニ。いえ、ステファン。私はもう少しここを見ています。先に戻っていてください。帰りは連絡をします。」
「分かりました。ではお先に失礼します。」
丁寧なお辞儀をして去っていくジェバンニの背中はだんだんと小さくなっていき、それをじっと見つめていた。
数分
数十分
一時間以上。指人形を弄り暇つぶしをしてい居ると雨が降り出す音が聞こえ、雨漏りしている場所に水が溜まっていった。
「…そろそろ帰るか。」
帰りを呼ぼうと携帯を取り出し電話をかけようとすると重々しい音を立てドアが開く。
そこに立っていたのは金髪のボブカット。顔にはやけど跡、Lに似た三白眼が特徴的。黒いエナメル素材のスタイリッシュな服装にフードを被った…。ッフフ。
「やはり貴方は生きていた。」
上記を述べ、にやりと笑うと彼はふん、と鼻を鳴らし、顔を背けていた。
勿論チョコレートは片手に持っている
「なぜ俺が生きていると知っていた。」
指人形をはめ込み、訳を淡々と話す
「そうですね、これに関しては簡単です。軽井沢の火事跡にあった死体は2つ。一つは高田。もう一つはMail=Jeevasですよね?」
その問いにメロは「ん、」と反応をみせた。
「完全に焼け焦げていた死体でしたから判別は難しかったですが銃で撃たれた跡があったので、貴方はMailが死んだあとこちらに送り込ませ高田と燃やした。さすがに事前に話は合わせていたでしょう。」
「まあMailもワイミーズハウスで育ったんですから。協力する理由も分かりますよ。キラはLの仇ですから」
手を下ろし立ち上がるとゆっくりメロの方に近づいていく
「お久しぶりです。メロ。会いたかったですよ。」
「っ、」
チョコレートを歯で折るとメロはゆっくり口を開く。
「ご明察だな。ニア様」
メロは皮肉っぽくそういうと羽織っていた上着を脱ぎ捨てた。
「…流石にあの中を無傷ではいられなかったようですね」
肩あたりまでやけど跡が広がっており腕には包帯を巻いている。すこし痛そうだ。
「俺も人間。当たり前だ。」
何事もないかのような顔で述べると
ふと無自覚で痛々しいその肩をおさえようとした。
「Mihael。」
肩に手を載せる。痛みでメロの顔が少し歪んだ
「なんだ。Nate」
「この名で呼ぶのは久しいですね。」
「お茶でもしませんか。」
生存if
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