コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「ここは…。」
心地よく頬を撫でる風。暖かい日差し。
うーんと伸びをしてからソラは立ち上がった。
彼は草原にいた。1人ぽつんと。
「ここどこーっ!?」
ソラは声を張り上げた。
「反応もないし…変な世界だなぁ、誰もいないのかな。」
ソラは少し落ち込んでとぼとぼと歩き始めた。
白くて丸いドームみたいなものが見えてきた。煙突があり、家なのだろうか。
「とりあえず人がいるか見に行こうかな。」
ソラは白い家のドアを叩いた。
「誰かいますか〜?」
少しもしない間に返事が聞こえた。
「はーい!」
ドアが開いて出て来たのは丸くてピンク色の…。
「カービィ!?」
「そ、ソラ!」
2人は再会したのだ。そう、あれ以来だった。
カービィはソラを家の中に招いた。ちゃぶ台とベットと暖炉しかなく、なんだか味気なかった。
「スマブラで何回か会ったよな!」
「そうそう、懐かしいなあ。」
「で、ここはカービィの家?」
「うん、普段あまりいないけれどね。」
2人はスマブラで交流していたのだ。
「で、ソラはどうしてここに?」
「うーん…覚えていないんだよね。」
「そっか、でもしばらくはここにいた方がいいよ。」
「え、なんで?」
「僕ももうそろそろ出ようと思ってたんだけど…。」
「外が危ないのか?」
「うん、本当に大変なことになってるんだ。」
カービィは怪訝な顔をして窓の向こうを見た。
ソラは首を傾げて、カービィを見つめる。
「実は、僕がスマブラに行ったせいで時間が歪んでるみたいで…。」
ソラはこくこくと頷く。
「たくさんの現象が起きてるんだよね。」
「じ、事件とか同時に起きてるのか…?」
「そうそう、船が落ちてくるのも日常茶飯事。」
「本当に大丈夫じゃなさそうだな…。」
「だから殴りに行こうと。」
カービィは拳を見せてニヤリとした。
「えっ、余計にみんな暴れるんじゃないのか!?」
「ううん、大丈夫。今まで大丈夫だったから。」
「ええ…。」
ソラは少し引いて、冷や汗をかいた。
「だから行ってくるね!ばいばい!」
「ちょっと待って、俺も行くよ!」
ソラはカービィの手を掴んだ。
「ほら、友達だろ?」
「本当!?ありがとう!」
カービィは目を輝かせた。
「よーし、じゃあ出発!」
「出発ー!」
カービィたちが歩き始めてしばらく経った。
「ほら、なんか爆発音とか聞こえてこない?」
「た、確かに…。」
「荒れてるねぇ〜。」
「う、うん…。」
「あ!草むら!」
「な、何!?」
草むらがガサガサなっている。何かいるようだ。カービィとソラはそっと近づいていった。
すると草むらから何かが飛び出した。
「あ、わ…!」
それはバンダナワドルディだった。
「大王様のためにー!」
「バンダナワドルディ!?」
「だ、大王様って誰…?」
「ほら、あのデデデ大王!」
そのワドルディはどうやら大王の逆襲のバンダナワドルディのようだ。
「よし、殴ろう。」
「な、なんだかかわいそうだな…。」
カービィがワドルディにサッと近づき、思い切りパンチする。
「わ、わぁ!カービィ!?」
「あ、元の時系列に戻った。」
「俺、まだよくわからないんだけど。」
「ご、ごめん!カービィ!」
「いや、ダメージ喰らわなかったし。」
カービィは冷めた笑顔ではははと笑った。
「あ、そうだ!バンダナワドルディも治しに行こうよ!」
「でも僕足手纏いになっちゃうよ…。」
「大丈夫。今の時系列だと強いから。」
「わ、わかった!」
2人は仲良く話している。ソラはそれを遠くから見るしかなかった。
「2人とも楽しそうだな、こんな大変な状況になってるのに。」
「ほら、日常茶飯事、日常茶飯事。」
「すごいな…。」
3人はまた楽しく歩き始めた。
「なかなかいないね。」
「もうそろそろ夜だし休もうよ!」
「あ、賛成賛成!」
「そうだね!じゃあおやすみ!」
3人は話し合わずに野宿を始めた。屈強なメンタルだ。
誰かの影が近づいているのにも関わらず…。
「闇の匂い…?」
リクは暗い場所を歩いていた。何もなさそうだ。
すると足元に何かが触れた。
「…ん?」
「こんにちは〜!」
足元には青くて笑っている…何だろう。生き物がいた。
それは舌を伸ばしてこちらを見ている。
「ええと、ここは…?」
「グーイだよ!君の名前は?」
「リ、リクだ…。」
「りく〜よろしくね〜遊ぼう〜!」
グーイは呑気そうに舌で頭を掻いた。
「いや、俺はソラを探さないと…。」
「手伝うよ!遊ぼう〜!」
「…わ、わかった。何して遊ぶんだ?」
リクはグーイを持ち上げて言った。
「僕の友達とも遊ぶ!あっち!」
グーイの下は何もなさそうな暗闇を指している。
「本当にあっちなのか?」
「うん!うん!」
リクは久しぶりに年下と遊んでいる感覚になった。
何もない方向へ2人は進んで行った。
「カ、カービィ…?これ、本当に起きるのか?」
「起きますよ。何か食べ物の名前を言ってみてください。」
「え、ええと、アイス〜。」
ソラはそれはないだろうと思い、気だるげに言った。
「アイス!?どこどこ?」
カービィは跳ね起きた。恐ろしいスピードだった。
「あ、アイスなら僕持ってますよ!」
「本当!?」
「やったぁ!」
ワドルディはどこからともなくアイスを取り出せ…なかった。
「盗まれました…。」
「ええ!?誰に!?」
「あ、わかった。おやつ仮面だね。」
「…うん…。」
「お、おやつ仮面?」
バンダナワドルディはしょぼんとしながら話し始めた。
「おやつだけ奪っていってしまう人がいるんです、その人の尊厳破壊をしないためついたギリギリの名前が…。」
「お、おやつ仮面…。」
「そうそう、いじられるのは可哀想だと思ってね。」
カービィは腕を組んでいった。
「な、なんとか取り戻せないか?」
「それは…。」
すると突然地響きがした。何かが爆発した音も聞こえる。
「来た!おやつ仮面!」
「え、この音が…?」
「おやつ仮面の戦艦なんです。よく落ちるのでわかりやすいんですよ。」
「た、大変そうだな…。」
「よし、アイス奪還作戦だーっ!」
「うん、頑張ろう!」
「う、うん!」
カービィ達は音のした方へ走っていった。