運命の

【おまけ】

「柔太朗ってアルファだったんだ」

「あれ？言ってなかったっけ？」

佐野さんに聞いたと呟く吉田さんの不機嫌そうな顔。

「なに、その顔ぉ。言ってなかったこと怒ってんの？」

「いや、違うくってさ…」

言いづらそうにする吉田さんに再度投げかける。

「なによ」

「いやさ、俺オメガじゃん」

「うん」

一応加入時知らされたメンバー全員知ってる話。

「オメガにとってアルファのフェロモンっていい匂いらしいのよ。でも、俺にとって柔太朗の香りはあんま好きじゃなかってか…好みじゃなかってかさ…」

「なに？臭かったってこと？」

「ちが、ちが違うじゃん！そんなこと言ってない！」

知ってるよ。だってさ。

「わかってる。佐野さんと運命の番だったからでしょ」

「へっ？」

「えっ？」

なに素っ頓狂な声出してんの？え？気づいてない？

「え？よっしー、知らないの？」

「なにが？」

「番の匂いを知ったオメガは他のアルファの匂いに嫌悪感を抱く。番になれば番以外の匂いを感じなくなるって…常識でしょ？」

「知らない知らない！そんな常識知らない！」

散々、俺と太ちゃんこと馬鹿だなんだ言ってたくせにこんなことも知らないなんて。

「あとさ、佐野さんいい匂いなんかしないよ？吉田さんといる時なんて最悪。手なんて出すわけないのに牽制するフェロモン撒き散らしちゃってんもん」

「へ？柔太朗といる時の勇斗ずっこい甘い匂いしてた」

「惚気ないでもらっていい？」

違う違うって仁ちゃんは否定するけどさ。なんも違わないし、もう、俺も匂いもわかんないでしょ。

END

小出しにしようと思ったのですがライブの勢いで出し切ります。

吉田さんを押さえ込み服の裾から手を入れる佐野さんを見れて、吉田さんの手をとってお風呂まで導く佐野さんを見れて脳内お花畑です。