なか「…誰も何もしてこないね…」
ぶる「…うん」
今、僕らは下駄箱で靴を履き替え廊下を歩いている
でも今まで通り
なんともない
なか「暗くて顔見えなかったりしたのかな?」
ぶる「…あるかも」
確かにあの時は暗かった
家の中も電気はついていなかった
羽も見えてなかったのか…?
だとしたら吸血鬼だって驚いていた理由も分かる。
よかった…安心した…
そう思ったのもつかの間
?「あっ!!こっち来て!!」
ぶる「っ、!?」
僕は誰かに引っ張られそのまま人気のない所へ連れてかれた
引っ張ったやつが止まり、そいつの顔を見ると…
あいつだった
ぶる「っ!」
僕が逃げようとした時、腕を捕まえられた
? 「大丈夫!誰にも話してない。話すつもりもない。」
ぶる「…なんで…?殺されるよ?」
正直そんな言葉信じない
今は明るい。お互いしっかりと顔も見えている
こいつは3年のやつだ
上靴が青色
?「なんで…かはわかんないけど…」
…何それ…
余計信用出来ない
ぶる「言うなら言えば?お前も殺されるかもしれないけどな」
すぐにハンターに言わなかったし。
? 「…」
「俺は3年のきりやん」
「名前は?」
ぶる「…は?」
教えるわけなくない…?
意味わかんない…
ぶる「言うわけないじゃん」
やん「上靴が緑だから2年生だね」
…上靴ってなんで学年によって色変わるんだろ。
やん「俺は君の味方だよ。」
ぶる「…吸血鬼なの…?」
やん「いや…人間だよ」
なら信用出来ない。出来るわけない
ぶる「じゃあなんで味方なの?」
やん「…吸血鬼をわざわざ殺す意味が分からないから」
…こいつ授業習ってないのかよ
ぶる「吸血鬼は人間を襲う。だから殺すんだよ」
「習ったでしょ?意味がわからないって頭おかしいんじゃない」
やん「でもそれは血が必要だからだ。人間側が吸血鬼に輸血を渡せば済む話。」
「それさえすれば吸血鬼は人間を襲わないだろ?」
…その通り
吸血鬼が人間を襲うのは血が欲しいから
血をしばらく飲んで居ないと暴走状態になる
そうなればもう終わり
理性なんて無くなる
血の事しか考えられなくなる
だから襲う
やん「…人を何人襲ってきた…?」
ぶる「…1人も襲ってない」
やん「…?2年間飲んでいなければ暴走状態になるはずだよな?何かあれば血を飲んでから1週間で暴走状態になるやつもいる…」
ぶる「…」
やん「血を貰ってるのか…?」
…まあそーなるよね
やん「誰から?」
ぶる「言うわけないでしょ」
やん「そいつは信用できる人?」
ぶる「当たり前でしょ。じゃないと貰わない」
こんな話どうでも良くない…?
なんでこんなやつなんかと話さなきゃいけないの。
やん「…俺の血飲んでいいよ」
ぶる「…は…?何言ってんの?」
やん「だから、飲んでいいよって」
ぶる「はっ、笑」
「意味わかんない、信じられない人の血飲むわけないでしょ」
どうせ飲んでる間に拘束でもしてハンターに渡すんだろ
…人間なんて信用出来ない…
やん「信じられないかも知れないけど、信じろ」
「俺はお前を絶対ハンターなんかに渡さない」
…信じれない。信じれるわけない。
でも…信じたいと思ってしまう
この綺麗な透き通った綺麗な目で見つめられると…
ぶる「…信じない…無理」
やん「…」
ぶる「もうチャイムなるし戻るから」
そう言い戻ろうとすると、あいつがカバンを下ろして筆箱からハサミを取りだした
ぶる「何してんの?」
すると、そのハサミを自分の腕へ持っていき、切りつけた
ぶる「っ、!?な、何やってんの!?」
こいつの匂い強い…
美味しそうな、甘い匂いがする…
やん「っ…俺は、お前を絶対渡さない」
「信じられないかもしれないけどほんとだ」
ぶる「…そんなんで証明なんかにならない」
…自分を傷つけたところで証明なんかにならないだろ
早く、早く血を止めてくれないと…
やん「…契約は…?」
ぶる「…は?」
やん「契約すれば俺は何も出来ない。ただの餌になる」
ぶる「…本気で言ってんの?」
やん「うん」
契約とは
人間の体に吸血鬼の血を入れる。それだけ
そうすると吸血鬼は人間を自由に操れる
植物状態にさせることも出来る
体を操って道路へ飛び出させ殺すことも出来る
「契約」と最初に言って約束をすればそれを必ず守らなければならない
破ると殺される
一瞬でじゃない。じわじわととても痛い、苦しい思いをしながら死ぬことになる
それを自分から言うなんてどんな神経してんだ…?
ぶる「…僕は君を植物状態にするかもしれないよ?」
やん「いいよ」
ぶる「…殺すかもしれないよ?」
やん「いいよ」
ぶる「…餌だよ?ただの。何も出来ないただの餌になる」
「僕に逆らえなくなる」
やん「いいよそんなの」
…ホント…なのかな
…
ぶる「契約しない。信用もしない。」
やん「…」
ぶる「…信じようかなとは思うだけ思ってみる」
やん「!!ありがとう!!」
まあそんなの表向きの言葉だ。僕はこいつを信用しない
するわけない
信じようとするわけないだろ。人間だよ。無理
やん「君の名前は?」
ぶる「…じゃ、僕行くから」
「保健室行って手当してもらいなね」
早くここから去らないと…
今までこんなこと無かった
こいつの血は多分美味しいんだろうな
他のやつの血を見ても美味しそうだなんて、飲みたいだなんて思わない
パシ
やん「信じようと思ってみるなら名前くらい教えてよ」
しつこいな…
早く終わらせる為に言ったけど言わなきゃ良かった
ぶる「…ぶるーく」
やん「ぶるーくな!わかった」
「またなぶるーく」
そう言うとこいつは僕の手を離し、手を振った
僕はそれを無視し教室へ向かった
その道中nakamuが僕のことをつけてくれていたから合流した
なか「大丈夫だった?」
「契約とか…あの人何考えてんだ」
ぶる「聞こえてたんだ」
なか「…ごめん…」
ぶる「全然いいよ。安心するし一緒に考えられるから嬉しいよ」
なか「!ありがとう!」
nakamuはいつも僕を助けてくれる
お兄ちゃんみたいな存在
あいつのこと…ちゃんと警戒しないとだな…
いつハンターに言われるか分からない。
気をつけないと
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