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「 制服が乱れています 。 直してください 」
朝 、 教室に居るのも息苦しいので 中庭を 歩いていると 、 背後から声をかけられ、
驚いて振り返る。と、そこには ネクタイをきちんと締め、丁寧にクシを通したであろう 跳ねっ毛の無い 黒色の髪をした …… えっと、… 生徒会長 ?? が 後ろで手を組み立っていた 。
「 黙っていないで、早く行動に移してください 。 うちの学校はパーカー禁止のはず
です 。 さっさとブレザーに着替えてきてください 。 」
うぜぇ ーー … 何コイツ 。 だる
ンなこと いちいち 口出してきてんじゃねーよ
「 あーあー 、 生徒会長サマが‘‘ わざわざ ’’ そんなこと言ってくれるなんて光栄
デスネー 」
思ってもいない言葉を、嫌味を込めて口に出し、心の中で あっかんべー とでもしておく 。
彼の次の言葉を待っていると、例のせーとかいちょー は 面倒くさそうに息を吐いた 。
は ?? めんどいのはこっちですが ??????
なんて思っていると 、 ソイツが口を開いた
「 うるさいですね … とにかく 、 オレは『直せ』と、言っているんです。
問題児だかなんだか知ったことじゃありませんが、さっさと直してくださいよ 」
「 無理 っスね 〜〜 」 にし、と 最大限の 嫌味を込めて 笑ってやった
それを見て何を思ったのか 、 かいちょー は きょとん と した顔で此方を見ていた。
少し 間があき 、 次の言葉を待っているのもなんか嫌だし 何も言わずに 背を向け、
校舎の方へと歩いた 。
あ、待ってください ! と 聞こえたような気がしたが、気の所為だと思い無視しておいた 。
◇◆◇◆◇◆
放課後 、 センセー からの説教を左から右へと聞き流し、鞄を持って玄関を出る 。
真っ赤に染まった空を仰いでいると、タッタッタッ 、 と誰かが小走りをしているような音が聞こえてきた 。
目線を前に向けると、朝会ったウザかいちょーが俺の方に走って来ていた
何故に ? なんだよ、口を開こうとすると それを遮るようにあっちが口を開いた
「 オレの名前 、 伝えてませんでした 」
… はい ? それで走ってきたのかよ 。 しょーもな
「 名前ぐらいどーでもいいじゃん 。 覚える気ないし 」
ポケットに手を突っ込みながらそう述べる
「 いえ 、 オレは君の名前を知っているのに、君はオレの名前を知らないのは
寂しいので 」
ww … 何コイツ 。 寂しい つった ? 三年が ? 一年に ? 寂しいって ?
「 いやだから 、 んなことどーでもいいって 」
「 一応教えておきます 。 覚えておいてください 、 『市川 珠叶』と申します 」
俺の言葉を無視して、名乗りやがった 、 耳ねぇのか ?
‘ 覚える気無い ’ つってんのに 、まぁ いーや 、 カワイソーだし 。
「 シュカぁ ? 漢字なに 」
「 真珠のじゅ に、叶える です 」
「 へー 、 変わってんね 多分覚えれる 。 」
本当の事だ 。 変わってる名前は覚えやすい 。
「 んで、なんでいきなり名前教えてきたんだよ 、 」
「 えっと … 『会長』とか 呼ばれるの、不愉快なので 」
「 はぁ ? 自分で生徒会長なったのに不愉快って、我儘お坊っちゃんじゃねーか 」
すぐに 言い返してくると思いきや 、 若干顔を伏せ、黙っている 。
コレは聞いちゃ駄目なやつかな 、 と なんとなく察し 話題を変えようと頭を働かせていると、
「 そうですね。確かに我儘かもしれません 。…… では 」
そう吐き捨てるように言うと、会長 … ん゛ん、市川は顔の向きを変え、足早に学校の敷地内から出ていった 。
… なんか 、 距離できたか ?
いや 別に 、 関係ないけど 。
◇◆◇◆◇◆
「 あー…… やっぱなんか怒ってたぁ …… ? 」
誰も居なくなった家に帰り、お湯に浸かりながら そう呟く 。
怒らせるようなことは言っていない …… ハズ
いや、我儘お坊っちゃん は 失礼だったか …… ??
一応 先輩 だし 、…… 。
色々考えながら、お湯の中に潜り、ぶくぶくと泡をたてる 。
… もう考えるのはやめよう 。 市川とは 友達でもなんでもないのだ
… ただ、あのセンパイへの印象が変わっだけの。
風呂からあがり、髪を軽く吹く 。
なんとなく 飯は ダルかったので、そのまま布団に入り 瞼をおろす。
◇◆◇◆◇◆
珠叶 vijon
「 我儘お坊っちゃんじゃねーか 」
… 分かってるんだよ 、 そんなこと 。
言わなくても分かってるんだよ 。
何故 君に 言われなければならないの
柚子君 、 君に オレの何が分かるの 。
返す言葉が見つからず、ただ 俯くことしか出来なかった 。
なんで 、… なんで 。 結局 みんな [ オレ ]のことは見ていないのです 。
ー ー ー ー ー ー
気付いたら 、 逃げ出してしまった 。
…… 大人気ない 、 後輩の前で先輩が逃げるとか … 恥ずかしい 。
でも ですよ 、 いつも態度が違う 柚子君 にも問題はあると思います 。
すごい 生意気 クソガキッズのような事を言ったと思ったら 、オレの名前覚えようとしてくれたり 、… 優しいとこあるのかも 、って 思ったら 生意気な口きいて 、……
オレの 敬語が 駄目なのでしょうか 、…… ?
なんか 、 話辛い のかも 、…… 。
ムカつく ムカつく 。
性格なら 冷たいか優しいかのどちらかにしてくださいよ 、……
「 珠叶 ? どうしたの ? そんな不機嫌そうな顔して 」
大嫌いな母親の声が聞こえる 。
「 あ、… もしかして、ご飯美味しくなかった ? 」
うるさい 。 黙って 。
本当に あなたは オレのことを気にかけているんですか 。
オレにとって 大好きな優しい母親という記憶を刻みつけておいて、オレが
良い職場についたら、偉くなったら 自慢してまわりたいだけなのではないんですか 。
暗い感情が ぐるぐると渦巻く 。
「 … んーん ! 大丈夫だよ 」
無理矢理 笑顔を作り 、 「お腹 、 すいてないだけ 」と付け加え 席を立つ 。
…… お風呂 、 朝でもいーや 、 自分の部屋に入り ベッド に ぼすっ と 音をたてて
倒れこむ 。
眠いです 。 眠い 。 とても 。
もう 寝てやります !
布団の中に潜り込み 、 うずくまった状態で いると、自然と瞼が落ちる 。
◇◆◇◆◇◆
ー 柚子 ー
カーテンの隙間から 差し込む 日の光を 遮るように、布団を頭まで被る 。
…… 全然 寝れなかったんだけど 。
これが 寝不足 。 気分クッソ最悪
まだ 布団の上に留まっていたいと言っているとしか思えない程 重い体を起こし、
洗面所に向かう 。
顔を軽く水で洗い 、 鏡を見る 。
………… 隈 。 こんな顔で学校行きたくねぇ 、…
休むか 、 … 。 一瞬 かいちょー の顔が脳裏に浮かんだが、謝る必要ないし、
と 無理に自分を納得させて 学校を休むと決める 。
もう一度 自室 に 戻り 、 再度布団の上に寝転がる 。
そこから 半日 部屋の中で過ごし 、 ふと外を見ると すっかり暗くなっていた 。
.. 腹減った 。そーいや 昨日も飯食ってないんだった 。
上着を羽織り 、 かかとの折られたスニーカーに足を通す 。
上着のポケットの中にバイトで稼いだ貴重な1000円を入れ、近所のコンビニに向かう
ウィン 、 と 自動ドアが開き 冷房の効いた 店内に足を踏み入れ
サラダ 等が 売られている 棚の前につくと 、 おもむろに手を伸ばし 昆布サラダを
手に取る 。
会計をすませ 、 外に出ると 未だ肌寒く 、 軽く身震いした 。
「 … 柚子 君 ? 」
昨日聞いたばかりの声が耳に入る 。
かいちょ 、… と 途中まで言いかけたが慌てて口を閉じる
名前で呼べ と 言われたばかりなのだ
「 なんすか 、 市川センパイ 」
自分が [ 会長 ]と言おうとしたのを察すると、少々不機嫌そうに 顔を歪める かいちょー 。
「 … 今日 、 学校居ましたっけ ? 」
流石 生徒会長 。
学年が違くても 分かるんだな 、 と謎に感心する 。
「 どっちでも いーだろ 。 アンタには関係ない 」
今日の晩飯 の入ったポリ袋を握りしめ 、 ここから立ち去ろうとした時、
腕を掴まれた 。
「 でも、… 体調悪かったら …… 」
珍しく心配そうに 此方を 見詰める 彼 の 瞳に耐えきれず、咄嗟に嘘をつく
「 あー … まぁ、… 風邪気味で …… 」
「 うわ 、 そんなんで 外出てきたの !? 熱ある……? 大丈夫 、?? 」
本気で俺を心配しているのだろう 、 いつもの敬語が外れていた 。
市川 の 方に目をやると 、 こちらの 額に 手を伸ばそうとしていた 。
どうやら 熱があるか 確認しようとしているらしい 。
あと少しで 手が届く 、 という所で なにかに躓き転ぶ 。
「 ぃ っ て 、… 」 と 声を漏らす 。
短パンで来たからか 、 右膝から血が流れ出ていた
「 ちょ、大丈夫 、… 、!? 」
そう言って 市川 が 俺の顔を覗き込む 。
「 こんぐらい大丈夫だけど …… そんな焦る事じゃねぇだろ 、 」
「 いやいや 、 ただでさえ 風邪で弱ってるんですよね ? そんな時傷口から
菌が入ったら まぁまあ 大変なんですよ ! … 白血球が 」
後に余計な言葉を付け足し 、 俺を 抱き上げる 。
… は !? 抱き上げる !?
「 おい ! 歩けるわ 、降ろせ降ろせ ! 」
「 大丈夫ですよ 、 柚子 、 軽いので 」
…… こいつしれっと [ 柚子君 ] 呼び やめやがった
距離の詰め方 えぐ 。
「 いや 、そゆことじゃなくて 、 」
「 うるさいです 。…… 緊急箱持ってますか? 」
『うるさい』そう言われて 口を塞がれた 。
声が出ない為 、 首を何度か振る 。
緊急箱なんて持ってるわけねぇし 。
「 えーっと … では 家にはありますか? 」
無い 。 また 首を振る
「 えぇ 、… じゃあ オレの家で手当てしておきます。
消毒もしなければいけないので 」
消毒って 、… そこまでしなくても 、……
俺を抱きかかえたまま、歩き出す 。
…… 屈辱 。
一人 むすっ と していると、大きな家が目の前にあった
「 ここです 。 」
そう 一言だけど 言うと 、 市川は家の扉を開けた 。
( やっと ! やっと 本編入れました 〜!
家で なにさせようか 妄想がはかどりますが、[付き合っていない]との
事実が 想像力を縛る … 泣 。 三話、四話、 しゅかゆず 書いていく予定ですので
宜しくお願い致します 〜〜〜 !! )