「…少しでも立華の情報を…」
暗い路地裏を、夏妃は1人、歩いていた。
路地の奥をどんどん進んでいく。
「…?」
ある時、夏妃は見つけた。
「人か…?」
ガタイの良いリーダーかと思われる男、その周りには 複数人の男。
その時。
「…あ?何だお前」
「あっ…」
リーダーの男が、こちらを振り向いた。
(…この感じ、気配で分かったのか…)
「…ん?お前、何か見覚えのある顔だな…」
「?…何のこと?」
そして、1人の男がハッとした顔で、こう言った。
「こいつ…トアの仲間ですよ!」
「…あ?」
「間違い無いです!」
「ほう…そうか…」
リーダーの男はニヤっと笑う。
「…何?」
気づけば、男はもう夏妃の目の前に居た。
「なッ…!」
明らかに只者では無い、夏妃は今の一瞬でそう感じた。
「今すぐトアの居場所を教えろ」
「そうしたら、命だけは助けてやるよ」
「は…?」
夏妃は戸惑う。
(断ると、何をされるか分からない…でも、トアを巻き込みたくは無い…)
「おい」
「ッ…!」
男は夏妃の頭へ銃を向ける。
「あと5秒…5秒で居場所を吐け」
「はッ…!?」
「何だ?言えねえのか?」
「ごーぉ、よぉーん、さぁーん…」
男達は夏妃を煽るように言う。
「ッ…!」
夏妃は、ただ黙り続けることしか出来なかった。
「にぃーい、いーち…ぜーろ♪」
「あーあ、あっという間に時間切れだなぁ?」
男の狂気の笑みは消えない。
「ッくそ…!」
「それじゃ、さよーなら♪」
男が引き金を引こうとした。
_その時。
「ッがぁッッ…!?」
リーダーの男が血を吐きながら倒れた。
「ッ…!?」
「なッ…兄貴ッ!?」
「誰だ!こいつの仲間かって..ぐぁッッ!?」
男達が次々と倒れていく。
「はっ…?何…これ?」
夏妃は唖然とする。
「ぁ”ッ…」
「ッ…」
あっという間に最後の1人が倒れ、辺りが静まる。
「…だ、誰…?トアッ…!?」
夏妃が叫ぶ。
「…いーや、違うかな」
「ッ…!」
「ありがとうな?お前には感謝してるよ」
「時間稼ぎってやつだな」
彼女は笑った。その瞳に光は無い。
「夏妃って名前だったよな?」
「…ッは、はい…」
「…私は代理。よろしく」
「よ、よろしくお願いします…?」
夏妃は恐怖で立ち上がれない。
「本当は”もう一人の私”も居るんだが…まあ、その話は良い」
(…もう一人の私…?)
「お前、ここに来たということは、何か探し物でもあるのか? 笑」
「ぁッ…は、はい…」
「ほぉ…?何だ?」
「…えと…」
「…立華の情報を…」
代理の耳がピクッと動く。
「…立華のか」
夏妃はコクコクと首を縦に振る。
「…そうだな、立華なら、つい最近鉢合わせた」
「ッえ!?」
夏妃は驚きのあまり勢いよく立ち上がった。
「ははっ、冗談だよ」
代理は笑う。
「へっ…!?な、なんだ…」
「…まあ、あれは冗談だが、つい最近この街に現れたとは聞いたな」
「ほ、本当ですかっ!?」
「あぁ♪」
「…」
代理の動きが止まる。
「…?どうしました?」
「…そろそろ戻る時間のようだ」
「え…?」
「それじゃ、またな」
そう言うと、代理は闇へと消えて行った。
次回▶♡×100
コメント
3件
代理ちゃんに目覚めた私(?) 続き楽しみ!立華をリッカと呼んでしまう僕を殴ってくれ
もう一人の代理ちゃんがいるのめっちゃ格好いい…。 続き楽しみ!!
うぉー!!代理キタ━(゚∀゚)━! いや口調そのまんま書いてくれて(?)嬉しいわぁ!!🥺🥺 カッコよくてすこ…✨✨❤ 続き楽しみ!!