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灼熱の夕陽が、アメリカの荒野を赤く染めていた。都市は瓦礫と化し、赤い月が沈みかけている。
吉田はビルの屋上に立ち、静かに風を受けていた。
「……そろそろ来いよ。」
そのつぶやきに応えるかのように、背後から軽い足音が響く。
「おっそーい!」
突如、吉田の背中に何かが飛びついた。
「うおっ、何だお前!?」
「何だとはひどーい!吉田くんの助っ人、花咲萌ちゃんでーす♪」
吉田は振り返り、あんぐりと口を開けた。
ピンクのカーディガンに着崩した制服、ツインテールが揺れ、うさぎのヘアピンがきらめいている。
だが彼女の手には、巨大な多機能ハンマー。そのギャップがさらに不安を煽った。
「……いや、ちょっと待て。なんでお前がここにいる?」
「えー?だってさ、霧島って強いんでしょ?あたし、強いやつと戦うの大好きなんだよねー!」
ニコッと無邪気に笑う萌。だが、その目の奥には冷たい光が宿っていた。吉田は思わず溜息をつく。
「……こいつ、大丈夫か?」
「ん?なーに?不安になっちゃった?」萌はクスクス笑う。「大丈夫だよー。ちゃんと殺してあげるから。」
「……いや、味方だろ、お前……」
そんなやり取りの中、遠くから不穏な気配が近づく。瓦礫の向こう、赤い月の光を浴びて、ゆっくりと霧島の姿が現れた。
「……来たか。」吉田は静かに構える。
だが、萌はハンマーを肩に担ぎながら、楽しそうに笑っていた。
「さぁーて、再会パーティー、始めよっか♪」