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外は雨だった。
俺の気分と似たような、そんな天気。
でも雨は綺麗に見えた。
水溜りに足をじゃぶじゃぶして、服を汚して、
親に怒られて、でも楽しくて。
それをやりたい。そして手を伸ばす。
_____________でも、届かない。
だって俺は窓から見える景色に手を伸ばしたのだから。
そんなの、窓ガラスに当たってしまう。
まぁ、物理的にも根拠的にも届かへんけど。
…おっと、自己紹介がまだやったな。
俺は『シャオロン』。
__________ただの人間である。
いや、少し違うのかもしれないけど。
自分は…そうやな。
外に出られないただの人間や。
まぁ、家の中でも楽しいけど。
年齢は15歳。今年で16の高校1年生である。
さっき俺は外に出られないただの人間やって言ったけど…。
まさしくその通りで学校にも通っていない。
だからいつもリモートで授業に参加している。
だから今日も学校から貸してもらっているパソコンを開いて朝のHRに参加する。
sho「…あれ。」
目の前には知らない生徒がいた。
そして音量を上げて先生の説明を聞く。
「今日から転校してきた子達です。結構多いけど仲良くしてあげてね。」
パソコンの前には5人の青年が立っていた。
1人ずつ順番に自己紹介をしている。
ut「鬱でーす。好きなものはゲームだよーん。よろしく〜」
なんとも言えない空気感だが…陰キャポジに見える。
メガネをかけて髪の毛は半分だけ少し長くて
だるそうな空気を纏っている。
そして2人目の自己紹介。
rbr「ロボロです!好きなものはゲームとか筋トレです!よろしくお願いします!」
真面目な子には見えた。
1人目よりかはマシな自己紹介やった。
そして顔は…まぁ、普通やった。
少し前髪はパッツンで目はくっきり。
真面目な転校生やった。
そうして3人目の自己紹介。
zm「ゾムでーす。よろしく〜」
めちゃくちゃ怖い雰囲気を持っていた。
しかも自己紹介も…失礼やけど下手くそやった。
めちゃくちゃテキトーに終わらしてる感じ。
それに服装も変だし。緑の服着てさらには
フードも着ている。目の部分はあまり見えない。
そして4人目。
shp「ども。ショッピっす。」
こいつが1番下手くそな自己紹介やった。
よろしくもないし、敬語でもあらへん。
好きなものも紹介せーへんし。
そうして最後、5人目やった。
ci「チ、チーノです!よ、よろしく…?」
こちらも真面目に見える子やった。
緊張しているせいか声は震えて疑問系になっている。
まぁ、無理もないけど。
まだ新年から数ヶ月しか経ってないし。
まだなれる時間はあるやろうなー。と、
他人事のようにして俺はあまり聞いていなかった。
…でも、その五人のうち聞いたことあるような奴がいたよーな………。
そうしてHR後の10分休憩がやってきた。
学校にいる皆は1限目の授業の準備をしとった。
それも、友達とかと喋りながら。
俺も、登校していたらこうやって話せるんかな。
そんなことを思いながら画面を見ていると…
sho「…え?」
画面の上からピースが映し出された。
俺は誰の手か全く分からず混乱していたが、
そいつはすぐに正体を明かした。
そいつは_______転校生の『ゾム』やった。
そうしてリモートではチャットで会話できる機能があるのだが
相手は必死にキーボードを打ち
俺にメッセージを送ろうとしている。
そうして数十秒経ちチャットが送られてきた。
『お前名前は?何で学校来てへんの?』
このようなチャットが来てどのように返せば良いのか分からなかった。
だが俺は返事をせんのも失礼だと思い必死にキーボードを打ち、チャットを送った。
『俺はシャオロン。学校行かへんのは色々理由があるんや。』
そこからゾムと俺の会話は続いた。
zm『へー。俺と会話楽しい?』
sho『知らん。』
zm『楽しいって言えや』
sho『無理』
zm『そういえば学校、いつから来んの?』
そのような質問が来て、戸惑った。
俺は自分の意思でこうやって行っていないわけじゃない。
俺は、『病』があって行けてないだけ。
…でも今週中には行けると言われたから…。
sho『今週中のどっか。』
そのように返事をした。
しかもこいつ、何で学校側の方は
マイクミュートにしてないのにキーボードで打ってくるんやろ。
お前の声は聞こえるっつーの。
すると返事が返ってきた。
zm『そか。じゃあ学校来たら俺と話そ。』
ゾムはそのようにしてチャットを送り、チャイムが鳴ったので席についた。
何やねん、一緒に話すって。
俺、コミュニケーション取れるか分からへんのに。
でも、画面を見つめている俺はきっと…
顔はニコニコしていたと思う。