ウィリアムは一瞬で状況を把握した。
目の前に広がるのは、彼が最も恐れる”地獄”。
赤黒い霧が広がり、空気は腐った鉄の匂いで満ちている。
彼の馬が、突然動かなくなった。
「……は?」
ウィリアムは馬を蹴って進ませようとするが、馬は何かに怯えたように硬直していた。
いや、違う。
馬はすでに”死んでいた”のだ。
「ふざけるな……! 俺がこんなものに負けるわけが――」
彼の周囲に、白く長い手が無数に現れた。
冷たく、細く、しかし異様なほどに力強い指が、彼の体を掴み、引きずり込もうとする。
ウィリアムは剣を抜き、手を切り払った。
「くそっ、くだらない悪夢で俺を止められると思うな!!」
その時だった。
ズドンッ!
「……!?」
上から巨大な影が落ちてきた。
それは”黒馬”だった。
ただの馬ではない。異形の蹄が鋼鉄のように光り、ウィリアムの頭上へと迫る。
葵の幻影が彼を押さえつけ、逃げ場を奪う。
「貴方みたいなタイプ……嫌いじゃないけど、ちょっと口が過ぎるのよね?」
彼女は笑いながら、指をパチンと鳴らした。
ドォォン!!!
「……っがぁぁぁっ!!」
黒馬の巨体がウィリアムを押し潰す。
骨が砕け、血が地面に広がる音が響く。
彼の最後の言葉は、苦悶の呻き声だった。
ウィリアム、圧殺。
そして、彼の亡骸は、闇に溶けるように消えていった。
コメント
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今回も神ってましたぁぁぁ!!! ウィリちいいいぃ!?圧殺か、、、はんぱねっすよまじで、、() てかこれ誌音たん大丈夫そうか???怖ぇ、、 ちょい短くてごめん!!次回もめっっっっさ楽しみいいいいいいぃ!!!!