永遠亭に5人を送り届け、亭の縁側に慧音と2人で座った。
「…なぁ、ホントにやるのか?」
「あぁ。」
慧音は不安がっていた。
「で、でも痛いんじゃ」
「大丈夫だ、死ぬほど辛くてもお前が居てくれれば…。」
「…そう、なの。」
永琳が戸を開いた。
「…妹紅、肝取るわよ。」
「…お手柔らかになぁ」
「麻酔いる?」
「はは…いるに決まってんだろ…」
私は、暫く深い眠りについた。―――――――――――――――
「…ん?」
「妹紅、取れたわよ。」
永琳は肝を『2つ』トレーに移していた。
「ありがとう」
「貴方も、人が良すぎるわね」
「愛する人の為だ、なんて事ない。」
「…いやレミリアのよ」
永琳はダメだこりゃと頭を叩いた
「あぁ…あれは慈悲だ、まぁ不老不死になれば遠慮なくできるからな」
私は慧音の居る縁側へ戻った。
「けーね」
「妹紅!大丈夫なのか?」
「大丈夫、もう治ったから」
慧音は私を優しく抱いた。
「…ごめんな、私がこんなので…」
「慧音は謝る必要ないよ、それに私がやりたかったから」
永琳が肝を袋に入れて持ってきてくれた
「はいどうぞ…生で食べた方が一番効くわよ。」
「ありがとう、永琳」
生だからなのか分からないが、
人肉独特の臭みが鼻の奥を刺した。
「…食べれるか、慧音」
「お前のなら、何でも食べるさ。」
そうは言ったもの、
意外に大きくてびっくりしているようだった。
「慧音、食べてきなさいよ。」
「あぁ。」
慧音は奥の部屋へ入った。
「妹紅、アンタも行きなさい」
レミリアが私を指さした。
「…なんで?」
「不安になったら困るでしょ、私ならそうするわ。」
「分かったよ」
私は部屋の戸を開けた。
「慧音、大丈夫?」
「あぁ、いま半分食べれたくらいだ。」
慧音は笑顔でそう言った。
「…味はまぁ、聞かないでおくよ」
「いや、美味いぞ。」
「無理しなくていいって」
「大丈夫、あと少し…」
グチュッと慧音の咀嚼音が部屋に響く…
慧音はどこか喜んでいるようだった。
「…ご馳走様」
慧音は見事食べきったのだ。
私の、蓬莱の薬三粒分の肝を…!!
「…食べきったようね」
永琳は、メスを慧音へ渡した。
「…これは?」
「それで自分の腕を切ってみなさい。」
「え、ちょ」
慧音は直ぐに深々と切った。
「…!」
だがそれは一瞬にして治ってしまった。
「…す、凄い…これが蓬莱人…!!」
「はは…」
「咲夜も食べ終わったみたいだわ、
ありがとうね妹紅。」
「いやぁ別に…」
「…妹紅、感謝します。」
咲夜は丁寧にお辞儀をした。
永琳と輝夜と妹紅は3人1斉に言った。
『『『ようこそ、不老不死の世界へ…。』』』
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