夜の静寂を切り裂くように、鋭い金属音が響き渡った。
——ギィンッ!!!
吉田は咄嗟にナイフを構え、間一髪、横から飛び込んできた刀の斬撃を受け止めた。火花が散る。
「……兄さん、ひさしぶり。」
月明かりの下に立っていたのは、血に濡れた刀を片手に微笑む男——吉田日哉だった。
「日哉……!!」
結那が構え直し、すぐさまナイフを抜く。だが、日哉はまるで彼女を気にするそぶりもない。
「やっぱり……兄さんは強いなぁ。」
ふわふわした声で日哉は言う。だが、その目はギラギラとした殺意を帯びていた。
「ライアがやられたって聞いてね。僕、もう我慢できなくなっちゃった。」
——シュッ!!
次の瞬間、日哉が動いた。
速い——!!
吉田と結那の反応が遅れる。
「遅いよ。」
日哉の刀が閃く。
ザシュッ!!
結那の腕から血が噴き出した。
「……っ!!」
結那は即座に後退するが、日哉は容赦なく追撃する。
「遊ぼうよ、結那ちゃん。」
「遊びじゃねぇんだよ……!!」
結那が叫び、時を止めようとした瞬間——
「甘い。」
日哉の刀がすでに結那の喉元に届いていた。
——カチッ。
その時、何かが弾けた音がした。
「ッ!!」
結那が間一髪、時を止める。だが——
「……無駄だよ。」
日哉の声が、止まった時の中に響く。
結那の目が見開かれる。動いている——!?
「僕ね……“悪魔の剣士”なんだよ?」
次の瞬間、日哉の刀が結那の腹を貫いた。
「……っ……が……」
結那の時が再び動き出し、鮮血が夜空に舞う。
「結那!!!」
吉田が叫び、日哉に向かって駆け出す。だが——
「遅いよ、兄さん。」
日哉の笑みは、狂気そのものだった。
「さぁ、僕と——殺し合おうか?」
コメント
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今回も神ってましたぁぁぁぁ!!!!! お、にっちー登場ですねぇん!またさらに兄弟喧嘩か始まるのか、、( ライアがやられたのか、、、でも平和お姉さん来てないから生きてる希望はあるはず、、と思いたいですね(( 次回もめっっっっさ楽しみンゴ!!!!!!!!