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続きです。
土砂降りの中に立っている僕の頬に、
雨なのか涙なのかも分からない水がつたう。
こんなダメダメな僕には、
やっぱり幸せなんて見つけられないんだ。
「ジェルくん速く行こ〜」
「今行くー」
会議終わりに、みんなで僕の家で遊ぼうってなって、成り行きで飲み会をしようということになった。
そこで、買い出しという罰ゲームをかけてマリ○をした。そして僕は思いっきり負けた。だから今、ジェルくんと買い出しに行くことになったのだ。
「それにしてもころちゃんが負けるって珍しいなぁ、笑」
「うるさw」
いつもみたいにくだらない会話をしながら道を歩く。
「あ、俺着替えとか持ってきてないわ」
「ん?なんで?いらなくない?」
「え?今日ころんの家泊まる流れやろ?」
「はぁ!?なんで!?」
「もうみんなその気やと思うけどw」
「えぇ……もう…だる……」
「www」
その時、僕の目にはあるものが映った。
「…っえ?ジェルくんッ、後ろッッ!」
僕の伸ばした手は空を切り、
数秒後、目の前には残酷な光景が広がった。
そこからは、何があったのか分からなかった。
近くにいた誰かが救急車を呼んで、気づいたら病院で手術室の前のベンチに座っていた。
そうだ、メンバーに連絡しなきゃ。
メンバーのグループラインに必要最低限のメッセージだけを書いて、また僕は1人の世界へ入っていった。
「ころちゃーん、ころちゃーん」
「おーい、ころーん?」
「ん〜、………どしたの?」
目が覚めると、目の前に4人がいた。
どうやら僕は、いつのまにか眠ってしまっていたらしい。
「どしたのじゃないよ〜」
「あ、ごめん…」
「大丈夫だよ、冗談冗談」
「お!ころちゃん起きたんですね!」
「あ、るぅとくん、もうみんな来てたんだね」
「うん。それで、ジェルくんは?」
「手術終わって病室にいるよ」
「そっか、よく頑張ったね」
「……」
「じゃあ病室いこっか、」
「うん」
扉を開ける。
「いらっしゃーい」
「起きてる…よかったぁ…」
「みんな来てくれたんやな〜」
「呑気すぎるって!みんな心配してたんだよ!?」
「ふふ、みんなありがとうな」
「本当に無事でよかった、てかジェルなんか声掠れてない?」
「え?そう?」
先生「あの、その事についてお話が…」
「え?」
先生「こちらで話しても大丈夫ですか?」
「はい」
先生「実は橙さん、今回胸の辺りを強く打たれたみたいでして…」
「だから声が掠れてるんですか?」
先生「はい。この声の掠れは、後遺症になってしまう可能性もございます。」
「そうですか…」
先生「そしてもう一つ、喋る時は声の掠れ程度ですみますが、歌うことや大きな声を出すことは出来なくなるでしょう。」
「え………」
その場の空気が一気に重くなった。
つまり、声が掠れるだけじゃなくて歌えなくなるってこと…?
え、そしたら活動は、出来ない、?
しばらく混乱した頭で考えた結果、声を大切にしている僕たちの活動だと多分続けるのは難しい、という結論が出た。
僕のせいだ。僕は隣にいたのに何も出来なかった。一緒に活動できなくなるのは嫌だ。
僕は泣いてしまいそうになった。
だけど、ジェルくん本人の方が辛いはずだから。そう自分に言い聞かせて我慢した。
面会の出来る時間が終わる時刻が近づき、みんなで帰る準備をし始めた。
「じゃあジェルくん、明日も来るね。」
そう言い残して、僕は逃げるように病院から出た。
外に出ると雨が降っていて、コンクリートのビルと雨雲だらけの空に挟まれた灰色の世界が広がっていた。
今なら泣いても誰にもバレないんじゃないか、なんて考える前に、僕の頬には涙が伝っていた。
雨がどんどん強くなってきた。
それはまるで僕の心みたいだった。
次の日も、またみんなでお見舞いに行く。
「そういえば、いつ退院できるん?」
「あ、それ俺も気になってた!」
「ん〜…2週間後ぐらいには、って言ってた気がする」
「へぇ〜」
「もっと興味もってやれよw」
「www」
「くふふw」
僕は離れた所で4人の会話を聞いている。
隣にはなーくんもいる。
「ころちゃんはあっちに行かないの?」
1番恐れていた答えに詰まる質問きたー
「ん〜、まぁ今日はいいかな」
「そっか」
あれ、深掘りしてこない。
「そういえばさw」
違和感を感じたけど、なーくんに話題を逸らされて、僕は忘れてしまった。
「じゃあそろそろ帰ろっか!」
なーくんの言葉で皆が帰る雰囲気になった。
僕も一緒に帰ろうとすると、ジェルくんに止められた。
「じゃあ先に帰るな〜」
「ばいばーい!」
「明日も来ます!」
「じゃあね〜!」
「…どうしたの?ジェルくん。」
「まぁそうなるな、w」
「んで?」
「いや、昨日からちょっところちゃんおかしかったからさ、なーくんにも言われたし、」
「…そうかな……」
「言いにくいなら大丈夫やからな?」
言いたい。謝りたい。吐き出したい。
でも、言ったら迷惑になるから。
「……」
「無理しなくてええよ、」
圧とかは全く感じさせないその言い方に、僕の想いは一瞬で崩れた。
「…だって、」
「だって僕、なんも出来なかった。」
声が震える。だけど、今の言葉じゃ絶対伝わってないのに黙って聞いてくれるその君の優しさのおかげで話し続けられる。
「僕…ジェルくんのこと、助けれなかった、」
「救急車も呼べなかった、」
「何も出来なかった、…」
「ごめん、っ…」
「こっちみ?」
言われた通りに顔を上げると、そこにはびっくりするぐらい優しい顔をした君がいた。
「ころちゃんが謝ることやないよ?」
「そして、先生から歌えないかもって言われた時に、1番最初に…俺よりも先に涙ぐんでくれて、悲しんでくれてありがとう。」
「は、ちょっとおかしいんかな?」
「でもすっごい嬉しかったで」
ありがとう。1番言われると思ってなかった言葉に驚いたし、凄く嬉しかった。
でも僕は何も出来なかったんだ。
その想いが顔に出ていたのか、ジェルくんは微笑みながらこう言った。
「ここに一緒に居てくれるだけで充分やよ」
病院を出ると、
また同じような灰色が広がっていた。
けどもう大丈夫。
だって、この雨はただ泣いている雨じゃない。
虹を描くための、前に進むための雨だから。
そして、優しいキミと仲間がいるから。
ありがとう。
優しいキミが僕は大好きだよ。
今回は結構適当です😝((
いやあの、休止中なんですけど、何故か♡が500いってくれたので投稿しました。
戻って来た時に♡500いってたら続き投稿しようかなって思ってます。((
まぁ待っててください。
next♡500