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【ちょっとは意識しろよ💢】
sm×nk
学パロ
↓
わんく
↓
平日で唯一部活のない日、つまり水曜日。俺とNakamuは毎週一緒に帰っている。
下駄箱で靴を履き替え終わると、彼は俺の右手を両手でぎゅっと握ってきた。
ちらりと視線を投げると、にこにこ笑顔で嬉しそうにしているものだから、追求を諦めて好きにさせることにした。
悪い気はしないし。
しばらく歩いて商店街に通りかかると、彼は繋いだ手をくいくいと引っ張ってきた。
nk「スマイル〜あそこのクレープ食べに行かない?」
sm「昨日行ったんじゃなかったっけ」
nk「いいじゃん、スマイルと行きたいの!」
その声も言葉も、あまりにも可愛かったものだから、気分でもないのに「まぁいいけど」と返事をした。
nk「よっしゃ、行こーぜ!」
sm「ちょっ、引っ張んなって!」
何頼もうか、あんまり甘すぎない物がいいけど彼は一口頂戴とねだるだろうから甘くなさすぎるのもちょっとな……とか色々考えながら、転ばないように彼に引っ張られつつ走った。
案の定彼はチョコバナナクレープを頼んで(しかも生クリーム増量)、俺は悩みつつもシンプルなチョコソースのみ、トッピングにバニラアイスを選択した。
長時間長考してそれ?と呆れられたがスルーを決め込んだ。
スプーンでちまちまアイスを掬って食べていると、肩を叩かれた。
隣に目を向けるとNakamuがクレープを突き出していたので、少し迷ってから持っていたスプーンで少し掬って食べる。
お返しに、と溶けかけのアイスを掬って彼に差し出すと、その口の端がひくりと引きつるのが見えた。
sm「食べないのか?」
nk「や、えと……うん、食べる」
口を開けて舌でアイスを受け取る彼の姿に、巣の中の雛鳥を幻視した。
その後もちらちらと視線を感じたが、いつ聞いてもなんでもないと返って来るだけなので言及を諦め、手元のクレープを無くす作業に集中した。
食べ終わって店を出ると、それまでと同じように彼と手を繋いだ。
歩いているうちに段々と右手が重くなっているような気がしてふと隣を見ると、いつの間にか腕が絡まっていた。
周りの目が気にならないわけではなかったが、Nakamuがいいならいいか、と思い気付かなかったフリを貫いた。
nk「ねぇスマイル、ちょっと寄り道しな い?」
sm「いいけど」
nk「ん、じゃあこっち」
手を引かれて、あまり人気のない路地裏に入る。
寂れた公園の片隅まで来ると、 Nakamuは俺に抱きついてきた。
sm「えっと、Nakamu?」
nk「なに?」
sm「何してんの?」
nk「スマイル補給してる」
なるほど、と納得できる説明は皆無だったが、まあ満足するまで好きにさせておけばいいか、と思い思考を放棄した。
ふわりと彼の香りが鼻をくすぐる。
ふとこっちからも仕掛けてみたくなって、見下ろす彼に話しかけた。
sm「Nakamu、こっち向け」
nk「ん?なに?」
煌めく快晴がきょとりと俺を見上げる。
その髪をかきあげて、額にキスを落としてみた。
瞬間、みるみるうちにその頬も耳も真っ赤に染まっていく。
ぽかりと力ない彼の手が俺の胸を叩いた。
nk「……馬鹿野郎、お前、マジで」
sm「え、駄目だった?」
nk「駄目じゃない!駄目じゃないけどさあ …….不意打ちはずるいって……」
心の準備が、とぶつぶつ呟く彼にほんの好奇心で「可愛い」と溢したら、キャパオーバーを起こした彼にそこそこ本気で殴られた。
nk「スマイルの馬鹿!!!!!!」
sm「え、俺なんかした?」
nk「もう、お前今日喋んな!!」
sm「なんで……?」
理不尽な命令に首を傾げる。
なんでも、と言われたので、とりあえずは彼が落ち着くまで待ってみることにした。
その後、頭を撫でたらさらに一時間帰るのが遅くなった。
家に帰ったらまず湿布を探そうと思う。