恵『あの、名前は?』
『黄色美羽です、一年。あなたは?』
恵『伏黒恵』
『恵くんか、ありがとね、じゃあ、また』
恵『なぁ、その、聞いていいのかわかんねぇけど、目、見えないのか?』
『!ふふっそんなことか』
恵『なっそんなことって…』
『私ね、生まれつき見えないわけじゃないの。しかも、右目は完全に見えないのだけど、左目は焦点が合わないだけで見えるには見えるの。』
恵『生まれつきじゃないって…』
『小学六年生の時に、変な怪物に追われて、逃げてたら転けたの。そしたら私、運良く落ちていた結構な大きさの石が目に入っちゃってね、その石が眼球に擦れちゃって焦点合わなくなっちゃったの右目目は強い衝撃で見えなくなったの。』
俺の中で、笑いながら話す美羽にサァーっと血の気がひくのがわかった。
『そんなに怖い顔しないで。私が悪いんだから。』
『その変な怪物ってね、追いかけられてるのに、誰も助けてくれなかったの。だから見えてないのかなって。なんてね』
恵『っ!それ!じゅ』
『じゅ?』
恵『お前、呪霊が見えるんじゃないか?』
『そうなのかな。生まれつき幽霊みたいなものが見えたの。誰も信じてくれなかったけど』
どうやら彼女は呪いが見えるらしい。