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「ほら」「……ん」
「また思い出してる」
「そんな、こと」
ないよ、って言い終えないうちにアントンは僕を激しく突き上げる。雨の午後、久しぶりのオフに二人で買い物のフリして出掛けて。
アントンのパパが所有するコテージ。表向きはスタジオ、実際はこんなふうにアントンが好きに使える部屋。
僕の、ことも。
同じなのかも。
「忘れろっていう方が無理かな」
僕の上で、動きながら。
「メンバーだし、お互い様だよね」
「……アントン」
もう言わないで、って目で訴えても。
嫉妬深いアントンは唇を歪めて笑う。
「比べてるんでしょ、ヒョンと」
比べたりはしない、けれど。
ウンソクは僕にとって初めての人だから。
正直、触れられたくない。
それに、今僕が好きなのは。
「アントン、怒るよ」
アントンは動きを止める。悲しげに僕を見つめて、ゆっくりと体を折り曲げた。
唇を唇で受け止める。離れた唇はすぐに耳元で僕だって、怒っていると囁く。
「わかるだろ? 今、僕が好きなのは」
「知ってる。知ってるよ、……そんなの」
傷ついた目をしたアントンが、僕の体をかき抱いて打ち付けるのを。
激しくなる雨音に飲まれそうになりながら感じていた。