コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
昔だったろうか
朧気な記憶がふと思い出した
まるで誰かが思い出せと言うかのように
そして二度と蘇ることのなかった記憶が脳内に流れる
一つの小さな椅子だ
子供用の小さな小さな椅子
そこには誰もいない
でもそれを見ると胸が締め付けられる
夢ならば覚めてほしい
長い悪夢の中に放り込まれるのはごめんだ
早く覚めたいと願って
椅子のある方とは反対の方向を見たそのとき
どこからか声がした
明るい少女の声
どこか神秘的な美しい少女のモデルが思い浮かぶ
そしてこういう
そんなあたり前のことを言われて
自分が根性なしと誰にも悟られたくないから
ゆっくりと目を閉じた
ut「あのねぇ゙ッ~…」
__「?どうかしたのかい、鬱桾ガサゴソ」
ut「僕の部屋漁んないでくんないッ?!」
__「だって鬱桾の部屋あまりにも殺風景すぎるから~w」
ut「ねぇ゙~!そんなのいいから早く説明ちゃんとしてくれへんッ?!」
__「まあまあ、そんな慌てるなw」
__「お、腐った食パンか」
ut「やめてぇ゙~!俺の最後の食料ぅ゙~!」
__「醜なぁ…そんなに食べるものに困っているなら女に金なんて渡さなければいいのにポイ」
ut「餓鬼には分からんで結構ですぅ゙~!」
__「言っておくが見た目だけだからな~」
__「私は空想、性別や年齢なんて肩書に過ぎない」
__「お、これはなんだ?」
それは綺麗なビー玉だ
他の何よりも一段ときれいな色をしている
俺にとってはダイヤモンドよりも貴重な物だ
その理由は…
また今度話そうと思ってる
ut「バッ!」
ut「それは…アカン…ギュッ…」
__「……そうか、大事なものだったならすまないね」
ut「ええからはよ教えてや…」
__「ん~…何から話せばいいか…」
__「まずは空想から…だなポン」
__「ではご説明しよう、君が今までしたなかった真実を…ニコ」
その笑顔は不気味だった
天使の形をしていても一瞬闇よりも深い笑みが見えた
けれど彼女はすぐに戻して
話を続けた
__「まず我々は先程行った通りいつどんなときでも生まれている」
__「空想とは人の作り出した恐ろしいものだ」
__「そして空想は強い、創造主の最強こそが一番強い」
__「信じる力が強ければ強いほどそれは強固なものになる」
__「それは私も同じだ」
ut「でも…さっき俺が質問した通りそれは…」
__「きっとそれが今日分かる」
__「私が他の空想よりも強いことが…その理由が…」
__「君が見ていないところで私が何をやっていたのか…バサッ!」
その羽根は誰もが見惚れる純白な美しい二対の翼を持つ天使
彼女は夜の満月に照らされる
俺の中での一番の”綺麗”
そして彼女はこういった
__「例え世界が破滅に向かおうとも…ニコ」
ut「ッ…!」
小さなマンションの部屋での彼女の迫力はすごかった
知らない間に僕は彼女の大きな二対の翼の中に居た
夜で隙間風のはいるこの部屋が
なぜかすごく温かく感じた
久しぶりとでも言いたくなる暖かさに
もう二度と手放したくない
ut「行かんでぇ゙…ッギュッ…」
__「……」
__「安心して…私は消えないから…」
そして暗い夜を天使の翼の中で過ごした
何処にも行かない安心感があった
ゆっくりと閉じていく目は
その後何も映さなかった
ut「んッ…」
__「おはよう、鬱桾ニコ」
ut「あッ…れ…?」
ut「俺寝ちゃってた…?」
__「うんwすごく安眠してたよw」
それを聞いて少し驚いた
元々不眠症を患っていて寝れない体質だったため
そこまで気持ちよく寝れたことが無かった
__「それにしてもお腹が空いた…ギュル~…」
__「何か食べ物はないの?」
ut「昨日も見たとーり…僕の家には何にもないよ」
__「いつもどうやって生きてるのさ…君…(汗)」
ut「下にある喫茶店で養ってもらってるんだよ…スク」
__「こんなニートを養う喫茶…なんて可哀想なんだ…シクシク」
ut「マジで追い出すよッ!ギュムッ」
__「きゃ~wこんな可憐な少女をつまむなんて~w」
ut「こんッッの…!」
言おうとしたことを一瞬言うのを辞めた
何故なら言っていることが矛盾しそうになったからだ
彼女は俺が想像した天使なのに
悪魔のような仕草を時に見せる
ならなぜこの少女が俺の頭の中に思い浮かんだのか
わからないままは気持ちが悪い
だから訪ねようとした
けれど彼女は気付いたら背を向けていた
俺が言おうとしてることが気付いたのかのように
__「私を案内してよ!その喫茶に!」
ut「……」
ut「は?」
__「私はお腹が空いたといっただろう?」
__「早く行こう!グイッ!」
ut「ちょッ!まちいやぁ゙!タッタッ!」
幼い少女に手を引っ張られ
ついさっきの考え事を忘れる
カラン…
__「随分と古びているね?キョロキョロ」
ut「創立50年くらいなんだって…フー🚬」
__「へぇ~、でも私はこういう雰囲気も嫌いじゃない♪ヒョイッ」
ut「カウンターでいいの?」
__「わざわざ遠い席に店員を歩かせるのも可哀想だからね~」
ut「…変なとこ気遣いあんねんな……(汗)」
__「とても失礼だね…ムスッ」
__「!!」
__1「こんにちは、お嬢さんニコ」
__「……こんにちは~!」
ut「ヒエ…」
__「この人は…?コソ」
ut「ここのマスターだよ…ちょー怖いね…ボソ」
__1「にしてもお前…またまともに飯食ってないのか…ジトッ…」
ut「いッ、いやぁ゙!今僕稼いでる最中でさッ!」
__「嘘つきにもほどがあるだろ…引」
ut「黙っといてッ…!」
__1「へぇ~…まあいい…いつものでいいか?」
ut「おん…」
__1「お嬢ちゃんは?」
__「ん~…じゃあこのパフェで!ニパッ!」
__1「朝から豪快だなぁwいいよ、作ってやるポンポン」
__「ふむ…あの人は良い人なんだな♪」
ut「それパフェ食べれるからでしょ…(汗)」
__「子供は皆そーやって釣られるものなのだよ…クスッw」
ut「性格わっる…」
__「それにしてもマスターの名は?」
ut「あぁ、僕の高校生の頃の友達」
ut「”通称ひとらんらん”」
__「ひとらんらん…本名は?」
ut「神宮寺 嵐…イケメンで腹立つんよな~…ギリギリッ」
__「食べさせてもらってるだけ良いじゃないかw」
ht「なんか言った?ニコ」
ut「すんませんッッッ!!!」
__「あっはは!w」
ht「てかその子誰なの?」
__「私は鬱お兄さんの腹違いの妹だよ!」
ut「ちょっとッ?!((((」
ht「へ~、鬱のお母さん再婚したんだ~。妹とかいたんだね~ナデナデ」
__「ふふん…♪////」
ht「お兄ちゃんに意地悪されたらおいでよ~?」
__「はぁ~い!ニタアッ…」
ut「(こいつッ…!よりによってひとらんを味方につけやがったッ!!」
ht「そういや…鬱ってさ…」
ut「ぇッ…?ダラッ…(汗)」
その瞬間
背筋が凍りそうになった
なぜこのタイミングでひとらんが俺にそんな質問をするのか
隣を見たら
顔は見えないけれど警戒している天使がいる
そもそも…この天使の言い方的に普通は空想は見えない…
ならなぜひとらんは聞いてきた
ht「俺さ…スッ…」
ut「へッ…?」
ht「友達でしょ?ニコ」
ut「ぁ゙ッ…」
__「それは困るなぁ…」
__「優しいお兄さんは好きだが…」
__「鬱桾を殺すやつは私が天罰をくださないといけないニコ」
ht「やっぱり…君も空想なんだ」
__「君こそ…私が見えてる時点で薄々怪しいとは思ったよw」
ht「でも…俺も生きたい…そのために喰うしか無い…」
ht「鬱も…君も…」
__「そうか…なら諦めて死んでもらえるかな?」
ut「てッ、天使ッ…?」
__「だいじょーぶだよニコ」
__「君は必ず私が守ると誓うと言ったろ?w」
ut「ッ!!」
ht「じゃあ…ガタッ…」
ht「俺も本気で行く…ジトッ…」
次回➳狂 者 と 強 者
NEXT➳♡500