そこには目を見開きあんぐりした口でこちらを伺うウソップの姿。彼は、数秒置いた後首を振り声を上げた。
「……見りゃわかんだろ」
「いや、わかるけど!!いや、わかりたくねえ…」
「邪魔すんなウソップ。今イイとこだ」
「いやいや、こっちは気分を落ち着かせに来たってのに……」
ウソップはそう溜息をつくと、静かに身を引くようにして一歩下がる。
「とりあえずお取り込み中だったか?
いや、その……なんかすまねぇな」
「そこで見てろ」
「へ?」
ゾロの言葉にウソップはポカンと口を開ける。サンジも同じく驚いた顔でゾロを見るが、彼はただニヤリと笑った。
「見てりゃいいだろ」
「何言い出してんだマリモ!」
「いや、だってお前……このままじゃおさまんねえだろ」
「そ、そりゃそうだけど……」
サンジはちらりとウソップの方を見やる。しかしウソップは意外なほど落ち着いていて、少し気恥ずかしそうに笑った。
「多分これが初めてじゃないよな?」
突然のウソップの申告に、サンジが思わず固まる。ゾロは何かを察したようにハッと息を吐いた。
「すげえ、その申し訳ねえんだけど…結構、聞こえてんだよ。その、」
恥ずかしそうに
「お前らの声……」
ウソップは頰を染めて、少し目をそらしながら言う。サンジとゾロは顔を見合わせた。
「だからその、ごめんな……ほんと」
「いや、あの……それは」
サンジがしどろもどろに答える。その横でゾロがハッと息を吐く。
「すまねぇな」
「い、いや?別に仲睦まじいことはいいことだとは思うぜ?でも……ほら、聞こえちまうからさ……ちょっとな……」
「……え?つかお前いつから」
「いや、結構前から……」
「は?」
ゾロが首を傾げる。
「え?だから、お前とサンジのその……アレをだな、聞いてしまってだな」
ウソップが頰を染めて答える。ゾロは眉を顰めた。
「あ?なんでお前が聞いてんだよ。おかしいだろそれ」
「いや、だってお前らの声デカすぎんだよ!いやでも気づく!それに物音も、デカいし」
ウソップの言葉にサンジとゾロは思わず顔を見合わせた。
「…と、とにかくだ。あ俺はもう出るから!お前ら加減はしろよ!」
ウソップはそれだけ言うと、慌てて部屋から出ていった。サンジとゾロはその後ろ姿を呆然と見送る。
「おい……ど、どうすんだよコレ」
「いや、どうもこうもねえ。こうやって発散してりゃそのうち収まるだろ」
「ってお前!こんなムードもへったくれもねえ状況でヤろうとしてんのかよ!?」
サンジは呆れたように言うが、ゾロは何ら動じることなく答えた。
「仕方ねえだろ。アイツも気ィ使って出てった。それに 俺の声がでけえんじゃなくてコックの声がでけえんじゃねえか?」
「ああ?」
気まずい空気。それを打破するかのように、またゾロがサンジの首筋に歯を立てる。
「まぁ、俺には関係ねえってこった」
「ん……ふ、ぅ……ッ!」
「声出せよ」
ゾロはそう言いながらサンジの腰を掴む手に力を込める。そのまま強く腰を打ち付けると、サンジの背が弓なりに反った。
「ひぁ……!あ、あっ……!」
サンジの口から甲高い声が漏れ出る。すでに一度イかされているせいか身体が敏感になっているようだった。その反応に気をよくして,さらに奥へと自身を埋め込んでいく。内壁を擦り上げるように動いてやれば,悲鳴にも似た声が上がる
「やぁ……!」
「っ、締めんな、」
「あ……ッ!ん……!」
ゾロのモノをさらにぎゅうと締め付ける。ゾロは動きを止めて、サンジを見下ろした。その顔は快楽に蕩け、瞳からは涙が流れている。その様を見て、思わずゴクリと喉がなった。
「おいコック」
「……っ?」
「こっち見ろ」
そう言って顎を摑んでこちらを向かせた瞬間、ゾロのモノがまた質量を増した。それに気づいたのか,サンジの顔がさらに赤く染まる。
「な、なんで」
「興奮しちゃ悪ィか」
「は、はあ!?何言って……ん!」
ゾロはサンジの言葉を遮るように唇を重ねる。そのまま舌を絡めれば,サンジもそれに応えるように舌を絡ませてきた。
「ふ……ぅ、ン……」
「っ」
キスをしながら腰の動きを再開すれば、サンジの口からくぐもった声が溢れる。だがそれはすぐに甘い吐息へと変わっていった。その反応に気をよくしたゾロはさらに激しく責め立てると、サンジが限界を訴えるように首を振る。しかしそれを無視してさらに強く腰を打ち付けるだけなのだった─。