3話 / 過去
今日は桃くんのお家
一応初めて…
のつもり
初めてでお泊まりをしたというあれはどうなんだろう,笑
でも,1度寝たベッドがそこにあるんだよね
桃
黄
桃
黄
桃
黄
桃
黄
黄
黄
桃
黄
黄
桃
黄
黄
黄
桃
~in過去~
母
父
これが昔の,
“本当の”お母さんとお父さん
地下牢に監禁した僕に食事を与えに来たのだ
食事だと言って手に持っているのは,
野良猫の死骸と,見慣れたナイフ
お母さんは猫を切り裂くと,垂れた血を僕の口に流し込んでくる。
食事はいつも動物の死骸の血液。
運がいいときは人の血がついたナイフを舐めさせてくれた。
誰を斬ったのかは知らないけど,
黄
黄
顔や体は痣だらけ
毎日毎日殴られて,傷を増やして,
寝る時は,その野良猫を抱えて眠った
冷たい冷たい床に身体を震わしながら
いつも僕に暴力を振るうため,わざわざ地下牢に訪れる
日に日にエスカレートしていく虐待に僕は抵抗も出来なかった
最初は顔や身体を殴られるだけだった。
歳を重ねるにつれ,性暴力が増えていった
ある日,尻尾の先端を少しきられた
その日から毎日,少しずつ尻尾がきられていく
ヴァンパイアの尻尾は栄養を貯めておくところ。 成長しにくくなった僕は,やせ細り身長も平均を遥かに下回ることに
黄
黄
いたい,
つらい,
苦しい,
黄
過去の自分は見るに耐えないものだった
いつも通りに顔を殴られたあの日
いつもと違ったのは
パキッと言う音がしたこと
牙が欠けていた
2本あったうちの1つ
僕は血を上手く飲めない
何もすることがなく,ぼーっと過ごす1日
することと言えば,
「今日何をされるかな」と考えるくらいだった
そんな1日が終わりに近づく。
親は一度も来ていない
殴りに来ないのはラッキーといえど,
僕は1日に1回は血を飲まないといけないのに,
息が苦しくなってきた,
血を飲みたくて,
どうすればいいのか分からなくて、
ただひたすらに“嫌だった”
目が覚めると,ベッドの上にいた。
地下牢にはベッドは無いはずなんだけどな、
黄
どうやら僕は理性を失って暴れていたんだそうだ。
音を聞きつけた近所の住民が警察に通報してくれたらしい
僕はその時,助けてくれようとした警察の方に
噛みつき,引っ掻き,
致命傷を負わせたんだって
子供だからっていうのと僕の事情を知り,刑務所にはいれられなかった
今でもこの話を思い出すことがある。
その警察さんの顔も知らなければ名前も知らないが,酷いことをしてしまったと心に深い傷が残っているのだ
自分を責める自分の声が頭に響くことはよくある
僕が悪いし,もう慣れた
警察に引き取られ施設に入ったのが13歳,中二の春頃
そして,いまのお義母さんとお義父さん
里親に引き取られたのが,中三の秋頃だった
黄
黄
𝙉𝙚𝙭𝙩 .
コメント
6件
ストーリー作るの上手すぎ!! みんなはこんな親にならないよーに🫵
深あぁ····· 天才すぎかよ🥺
や だ 好 き 🥹🥹 作 品 か く の う ま す ぎ! 🫢♡