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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

心愛

あの……

野々花

どうしたの?

心愛

怖くないんですか、そんな気持ちの悪いものをもらって

野々花

気持ち悪いですって!

野々花

これは菜々緒からもらった宝物よ!

野々花

汚さないで!

心愛

ご、ごめんなさい……

心愛

あの、地下ってどんな感じですか?

心愛

やっぱり古びていますし、日の光もないですよね

野々花

いえいえ、人工の太陽と月があるよ

野々花

地上とほとんど同じ周期だけど、法律がないの

心愛

法律がない……それって違法なんじゃ

野々花

法律がないのは、あっちの世界では当たり前

野々花

だから自分の快楽に従ってやりたい放題

野々花

盗んだり他の人のものを売買したり

野々花

人間を売ったり、金を騙し取ったりしても違反にならないのよ

野々花

あと危険物も出回ってるから、薬売りには気をつけてね

心愛

(うっ……ガチでやばいところだ💦)

心愛

(でもこのまま戻れば両親に殴られて、罵られる……もう行きたい場所もない)

心愛

(地下世界で死ぬかもしれない)

心愛

(私は一度決めたの、行くしかない)

野々花

今ならここから出られるわよ、傘持ってるでしょ

心愛

私ここから出ません!
地下へ行きます!

野々花

地下へ行ったら地上に出られなくなるわ、それでも行くの?

心愛

はい!(๑˃̵ᴗ˂̵)و゚*✩‧₊˚

野々花

へぇー、心愛ちゃん意外と可愛い💕

いきなり野々花が抱きしめてきた

力強すぎて苦しい……

心愛

は、離して……

野々花

あら、ごめんなさい

心愛

(||´Д`)o=3=3=3 ゴホゴホ

野々花

ちなみに一年間仕事をしないと、ゴミ処理場に運ばれて燃やされるから気をつけてね

心愛

え……

心愛

(両親は働くなって言ってたけど、もう離れるの)

心愛

(関係ないわ、死ぬよりマシだもの)

心愛

どんな仕事でもやります!

菜々緒

女の子二人のやりとりは、興味をそそられるね

七海

そうかな?俺は退屈……

菜々緒

はぁ……お前は女心がわからないみたいだな、嫌われるぞ

七海

そう言う兄貴だってわからないくせに

菜々緒

なんだと……

七海

……別に嫌われてもいいよ、兄さんがいれば俺頑張れるから

菜々緒

そうか、ありがとう

菜々緒

お前はどんな女が好みなんだ?

七海

俺は兄さんみたいなかっこいい人と結婚したいな

菜々緒

よせよ、恥ずかしいだろ//

菜々緒

あと運転してるやつに話しかけるなよ

七海

兄さんが話しかけてきたんでしょ

菜々緒

それもそうだな

運転席と助手席に座る二人は 互いに笑い合った

野々花

ああ……この二人尊い💕

心愛

ええ……

激しい雨が降る中 車が一時停止した

菜々緒

こっから先は森の道だ

菜々緒

シートベルトをしっかりしろよ

その言葉通りシートベルトをつけた

そして白い車は道なき場所を走っていく

心愛

きゃー!

思った以上に揺れて 気分が悪くなってくる

野々花

うるさい声出さないでよ!

心愛

ごめん、こう言うの初めてで

野々花

まあ、いいわ

野々花

慣れたらそんなに苦じゃないよ

数分か揺れた後森から抜けて 洞窟の前についた

立ち入り禁止の看板がかかっている

菜々緒

ここが入り口だ

野々花

旦那様

菜々緒

おい、腕掴むなよ

菜々緒

服が濡れるだろ

野々花

それでも関係ないわ、二人でいられるから

菜々緒

愛してるよ、野々花(//∇//)

七海

チッ、二人でイチャつきやがって!

七海

俺もまぜろ!

野々花

えー、どうしようかな?

七海

お前は誘ってない

野々花

何よ💢

菜々緒

喧嘩はよせよせ

菜々緒

あっちについたら交流しようよ

菜々緒

僕の家で待ってる

七海

わかった

菜々緒

二人で先に行ってる

菜々緒

荷物は半分持った
あとの半分よろしくな

七海

わかってるよ、兄さん

菜々緒と野々花の二人は 暗い洞窟を潜っていく

七海

おい、心愛だっけ?

七海

荷物運ぶの手伝え

心愛

車はどうするんですか?

七海

車は業者が運んでくれる

七海

心配するなよ

七海

はい、これ持ってくれ

渡されたのは茶色い袋で しかも鮮やかな血がついている

心愛

こ、これは……なんですか?

心愛

(かなり重い……)

七海

人間の内臓の入ったパックがたくさん入ってるぜ

七海

俺が持つと、性欲そそられてムラムラしちゃうんだ

七海

頼むわ

心愛

内臓……?

袋を開けると

ビニールパックに大量の内臓が 敷き詰められていた

長い小腸や真っ赤に染まる心臓

そして指や足など 気味の悪いものばかり入っている

心愛

うう……吐きそう

袋を閉めて立ち入り禁止札の下をくぐる

真っ暗で見えにくいが 下に七海が立っている

心愛

先に進もう

心愛

(さっきのことは忘れよう)

洞窟に伸びる階段を下がっていく

頼りなのは私が持っている 蛍光灯の灯りだけ

七海

悪いな、両手が塞がっているもので

心愛

いえ、別に

心愛

それより持ってる荷物はなんですか?

七海

ああ、一番デカいのはチェンソーの入ったケースだ

七海

キュイーンって音を出しながら、体が切断されていくのが楽しいんだ……ふふふ

七海

赤の他人の人生が崩れるって思うと、興奮するでしょ?

心愛

しません……

心愛

(この人、頭のネジが外れてる)

心愛

(彼から離れようかしら?)

心愛

(ただ離れたら地下世界で迷いそう)

心愛

(大人しくついて行こう、それが多分正解ね)

心愛

あの、私のこと殺しませんよね

七海

殺したいって最初思ったんだけどさ

七海

なんか兄さんの言葉で冷めちゃった

七海

そうだ、俺の恋人のフリしてくれない?

心愛

はぁ……?

七海

俺さ、恋人作ったことないんだ

七海

フリでいいからさ、恋人になってよ

心愛

いやです

七海

どうして?

心愛

私好きな人がいたのに、そいつが六股してたクズだって知ってがっかりしちゃったの

心愛

七海さんもそうなりそうで怖い。
断りします

七海

あのさ、俺は童貞だぞ

七海

そいつと一緒にするなよ

七海

もし次断ったら、お前の小さな口の中に画鋲いれる

心愛

ひぇ……(ll゚Д゚)怖ァ……

心愛

分かったわ、恋人になりま……なるわ

心愛

(本当は怖い🥶両親の時みたいに逆らったら殺されそう)

七海

俺は兄さんと違って、好きな人や恋人には手を出さねぇし暴力も振らないさ

心愛

(マンションの前で殺されそうになったのに……)

心愛

心愛

(あれ、手加減してた……その言葉本当かも)

そんなことを思いながら下っていくと ようやく明かりが見えてきた

もう少しで地下世界に着く

洞窟を抜けた先にあったのは……

心愛

ここが地下世界……?

あたりを見渡すと建物が全て崩れ 人が住める場所がなかった

建物の近くに

やせ細った子供や大人がいて 体育座りのまま動かない

そこへ痩せ細った子供がやってきて 最近死んだばかりの大人を食らっていた

心愛

そんな……

七海

こんなことはしょっちゅう起きる

七海

この世界は階級が全てだからな

七海

死んでいる大半の人間は、階級の低い奴ばかり

七海

あれ、見てみろよ

心愛

…………

言われるがままに指差した方を見ると 死体という名のゴミを拾っている人がいた

七海

あいつは同じ階級の人間だ

七海

悲しくこともなく、仲間だった人たちを片付けているのさ

心愛

これを見て何も思わないの?

七海

ああ、俺の階級は高いからね

七海

飢えることもないし、仕事や金にも困らないし

心愛

おかしいよ、政府は何をしているの?

七海

あいつらは地下世界のトップだからね

七海

金だけもらって仕事なんかしてないさ

七海

下の階級になど目も向けない

七海

慣れてくれば、何も思わなくなるのがオチ

心愛

……ところで階級って何?

七海

階級はS、A 、B、C、Dに分かれている

七海

ちなみに俺はAだ

七海

俺と一緒に住むには、AかB級が必要だ

七海

適正がC、Dだと無理

心愛

どうして無理なの?

七海

それは

七海

あっ、サポートセンターについた

七海

そのあとの話は受付嬢に聞きな

心愛

七海も……入るの?

七海

俺も用があるんでね

七海

この袋、貰うぜ

心愛

えっ

七海

はい、バケツとケース持ってくれる?

心愛

え、嫌で……

断ろうとしたらいきなり首を掴まれて よく握られ締め付けてくる

七海

運んでよ、お願い

心愛

う……ぐっ……

死にたくないので 頷き袋と他の荷物と交換した

彼は手が出てしまったことを 後悔しているようだ

心愛

(どうして私はクズに好かれるのかしら?)

心愛

(大人しいから?)

心愛

(まあこう言うの家で何度やられたから、慣れてる)

心愛

(言うこと全部、とりあえず聞いておこう)

七海

よし、入ろうぜ

心愛

ええ

綺麗で透き通っているガラスの 自動ドアが開き

中に入っていく

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