もう夏の中旬まできていて、1番暑い季節になってきて、 差し込む太陽の光は目を焼くほどのものだった。
そんな時の帰り。 海沿いの、踏切前。
いつも通り話していたが、明らかにレイの様子がおかしかった。
地面をじっと見つめて、微笑みかけるときは、少し悲しいような表情をするのだ。
もしかしたら、やりすぎたのかもしれない。少しマシにしてみよう。
そう思った瞬間だった。
レイは、踏切へと飛び出したのだ。
カンカンカンカン…と踏切の音が鳴る。
私は手を伸ばし、掴むよう促した。
ユウ
ユウ
そう叫んでも、悲しそうな表情で見つめ返すだけだった。
どうしよう、どうしようと焦っていると、電車がすごい勢いで向かってくる。
ブレーキの摩擦音が鳴り響く。
でも、ブレーキするのはもう遅かった。
グシャッと血が飛び散る。
目の前にはバラバラになったレイの死体と、もう元には戻らないちぎれたお揃いのキーホルダー。
白くて美しい肌が、赤色に染まって台無しだった。
ユウ
レイは、死んだ。
思い出がフラッシュバックする。
楽しかった思い出は、もうここで終わりなのだ。
私が殺したんだ。 後悔する権利なんて無い。
自業自得だ。
蝉の声が私の鼓膜を突き破る。
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